【ニュース・イギリス】オックスブリッジ入学者の多い8つの学校:イングランドの学校の4分の3の学校からの入学者数と同数

 
2018年12月7日、サットントラスト(The Sutton Trust:教育を通じて社会流動性を促進することを目的とした基金)は、大学入試機関(UCAS:Universities and Colleges Admissions Service)のデータを基に、過去3年間オックスブリッジ*入学者の傾向として、イングランド全体の学校の4分の3に当たる学校(2900校)からの入学者と同数の入学者が8つの優秀学校およびカレッジから出ていることを発表した。
 
報告書“Access to Advantage”は、イングランド全域で大学への入りやすさがどのように異なるのかをより明確に示すため、学校種ごと、地域ごとに2015から2017年の統計群の大学入学率を分析している。その結果は、オックスブリッジ**,310人が入っており、一方同期間に2人以下の入学者しか出していない学校2,894校の合計は1,220人であった。
 
報告書は、私立校出身の生徒がラッセルグループの大学に合格する率は公立校に比べて2倍以上高く、オックスブリッジの場合の入りやすさの差はさらに大きく、7倍近くとなるとしている。また、オックスブリッジやラッセルグループの大学に出願した私立校出身者は、公立校よりも合格する確率が高くなっている。
 
オックスブリッジへの出願の3分の1以上(34%)が私立校の生徒からのものである、彼らは合格定員のより多くの割合(42%)を占めている。しかし、オックスブリッジへの出願者数の32%が公立校出身である一方、公立校出身者は合格者の25%でしかない。生徒全体では7%が私立校に通っているが、一方でAレベル試験を受けた割合では18%が私立校に通っている。
 
またこの分析は、オックスブリッジに合格する10代の者の比率の、大きな地域的違いも示している。Halton、Knowsley、Lincolnshire、North Lincolnshire、Portsmouth、Rochdale、Rutland、Salford、Southampton、Thurrockを含むこの国の一部の場所では、調査が調べたこの3年間において、公立校からオックスブリッジへ2人かそれ以下の合格者しか出していない。
 
この格差がAレベル試験の結果の違いによるものである一方、今回の調査では同様な試験結果の学校でも優秀大学への進学率に大きな違いがあることが明らかになった。私立校で全学校の試験成績の上位5位に入っている校の生徒のおよそ4分の1(23%)はオックスブリッジに出願するが、同様に高い成績を上げている公立校グループにいる生徒では11%しか出願をしない。オックスブリッジに出願した上位5位校出身者のうち、私立校では35%が合格したが、公立校では28%でしかなかった。
 
また、すべてのタイプの学校からオックスブリッジに合格した生徒は、平均して同様の成績を修めていることがわかった。これはAレベル試験の結果でいうとA*A*A*(注:A*は最上級のもの)に等しい。サットントラスは大学に対して、成績条件の緩和を含め、入学希望者が直面する環境の違いを理解するために入試の過程における背景分析データの一層の活用を呼び掛けている。
 
それに加えて、報告書はすべての生徒が専門のアドバイザーから一定の水準キャリアアドバイスを受けるべきであることを推奨している。大学入学の地域格差に取り組むため、サットントラストは、大学が設けているアクセス協定が、社会の主流でなくあまり代表者を出していない地域に焦点を当てるべきとも推奨している。
 

*オックスブリッジ:ケンブリッジとオックスフォードを合わせてこのように呼ばれる。
**ラッセルグループ:ラッセルグループは、英国国内で最高水準の研究レベルを持つ24大学で構成される団体。

 
The Sutton Trust:8 SCHOOLS SEND AS MANY PUPILS TO OXBRIDGE AS THREE-QUARTERS OF ALL SCHOOLS

地域 西欧
イギリス
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
人材育成 入試・学生募集、学生の多様性
統計、データ 統計・データ
レポート 海外センター