テキサスA&M大学システム総長のジョン・シャープ氏(John Sharp)は、同システムの大学2校で開講されている孔子学院(Confucius Institute)のプログラムに関し、連邦議員からの提案を受け入れて閉鎖を決定したことを発表した。
孔子学院は、中国政府からの資金援助を受けて、米国を含む海外大学において中国語及び中国文化プログラムを提供しているが、ヘンリー・クエラー(Henry Cuellar)下院議員(テキサス州選出民主党)とマイケル・マッコール(Michael McCaul)下院議員(テキサス州選出共和党)が、同学院は国家安全保障上の脅威となる可能性があるとして、テキサスA&M大学を含め、孔子学院との間で契約を締結するテキサス州内の大学4校に対して契約解消を提案する書簡を連名で送付していた。
孔子学院は、これまでにもカリキュラム内容などに関して、学問の自由を侵害すると問題にされたことがあり、教員100人が署名する嘆願書を受領したシカゴ大学(University of Chicago、イリノイ州)が2014年に同学院を閉鎖したほか、ペンシルバニア州立大学(Pennsylvania State University)も、目標に一貫性がないとして2014年に同学院を閉鎖している。
しかし、部外者である連邦議員による影響で大学が決定を下したことが明確にされたのは今回が初めてで、孔子学院の支持者・反対者共に、政治家が大学の決定に影響を与えたことに対する懸念を表明している。
なお、孔子学院に関連する問題は、学問の自由の侵害・検閲に関する問題から、最近ではスパイの疑いにまで発展しており、テキサス州選出の下院議員2人以外にも、マルコ・ルビオ(Marco Rubio)上院議員(フロリダ州選出共和党)やセス・モウルトン(Seth Moulton)下院議員(マサチューセッツ州選出民主党)が、それぞれフロリダ州及びマサチューセッツ州の大学に対し、孔子学院との契約解除を勧める書簡を送付している。
なお、クエラー下院議員とマッコール下院議員がテキサス州の大学に送付した書簡(PDF:589.8KB)は、こちらからダウンロード可能。
2018年4月9日
Inside Higher ED:Closing a Confucius Institute, at Congressmen’s Request