米国科学財団(National Science Foundation:NSF)は2017年10月31日、増大するサイバーセキュリティ問題への対応を目的とした基礎研究及び教育のために、総額7,450万ドルを助成することを発表した。
本助成は、NSFの「安全且つ信頼性あるサイバー空間(Secure and Trustworthy Cyberspace:SaTC)」プログラムを通して拠出されるもので、エネルギーグリッドや輸送システムを含む重要なインフラに関連する、安全で耐障害性と信頼性のあるサイバー空間の確保につながると期待されている。
「SaTC」プログラムは、セキュリティ及びプライバシーの確保により、コンピューティング及び通信システムにおける経済的・社会的利益を最大化することを目指しているが、システムの脆弱性と人間の行動・動機が組み合わされることにより、無数の攻撃・損害・不正アクセスが発生し、近年では、年間数十億ドルに上る被害が発生している。このような問題に対処するために、NSFは、アクセス制御・身元管理、暗号学、侵入検知、人間の交流・有用性、ネットワーク・トポロジーなどを含む幅広い研究分野のプロジェクト214件に対し、助成を支給する。
今回選出された研究プロジェクトには、
- ①コーネル大学(Cornell University、ニューヨーク州)が主導する「自動合成暗号プロトコルのための枠組み」、
- ②カーネギーメロン大学(Carnegie Mellon University、ペンシルバニア州)が主導する「説明責任ある情報の利用 ~意思決定システムにおけるプライバシーと公平性~」、
- ③カリフォルニア大学サンディエゴ校(University of California, San Diego)が主導する「国家レベルでの接続性崩壊・操作に対するインターネット・トポロジーの脆弱性の調査」、などが含まれ、これら3件の大規模なプロジェクトは、それぞれ5年間に亘り140万ドル~300万ドルを受給する。
2017年10月31日
National Science Foundation:NSF investments aim to address growing cybersecurity challenge