国立衛生研究所（National Institutes of Health：NIH）は、高血圧症・鬱症・慢性疼痛などの疾病管理向上を目的としたゲノム医療介入の適用に関し、有益性・適用可能性・有効性を検証するための臨床試験に資金提供することを明らかにした。
 
これらの臨床試験は、「診療におけるゲノミクス実行ネットワーク（Implementing Genomics in Practice (IGNITE) Network）の第2フェーズの一環として行われ、NIHは、5年間に亘り4,200万ドルの資金を拠出する。これらの臨床試験は、2020年開始予定で、最初の臨床試験では、患者のゲノムデータへの早期アクセスが、高血圧症や慢性腎臓疾患の治療に役立つか否かを検証する。
 
また、2回目の臨床試験では、疼痛及び鬱症に重点を置き、薬理ゲノミクスに基づくオピオイド（opioid）鎮痛剤及び抗鬱剤の処方が、手術後の激痛・慢性疼痛・鬱症の患者の臨床アウトカムを向上させるか否かを検証する。なお、これらの研究プロジェクトは、2013年春に国立ヒトゲノム研究所（National Human Genome Research Institute：NHGRI）からの助成を受給して行われたIGNITEネットワークの第1フェーズ研究を基盤とする。
 
2019年6月5日
 
National Institutes of Health：NIH funds clinical trials using genomics to treat chronic diseases