国立衛生研究所（National Institutes of Health：NIH）は2017年11月6日、データや分析ツールなどといった生物医学研究に利用できるデジタルオブジェクトの利用を可能とする、科学者向けの共有仮想空間「国立衛生研究所データコモンズ・パイロットフェーズ（National Institutes of Health Data Commons Pilot Phase）」を立ち上げることを明らかにした。
 
NIHデータコモンズは、より多くの研究者に対し、生物医学研究データへのアクセス、利用可能性、相互運用可能性、及び再利用可能性を高めることにより、生物医学における発見を促進することを目的とするものである。NIHは、研究プロジェクト12件に対して2017年度予算から総額900万ドルを助成することで、データの透明化・相互運用、患者データのセーフガード、及び、データ基準に対するコミュニティの賛同確保などといった、NIHデータコモンズを実現させるために必要となる能力の開発が行われることになる。
 
本パイロットフェーズでは、

1. ①遺伝子型・組織発現（Genotype-Tissue Expression）イニシアティブ、
2. ②プレシジョン・メディシンのためのトランスオミクス（Trans-Omics for Precision Medicine）イニシアティブ、
3. ③ゲノムリソース同盟（Alliance of Genome Resources）、

の3種類のデータセットが試験例として利用される予定である。
 
なお、助成研究プロジェクト12件は、「NIH Data Commons Pilot Phase Consortium」から閲覧可能。
 
2017年11月6日
 
National Institutes of Health：NIH awards to test ways to store, access, share, and compute on biomedical data in the cloud