連邦省庁13省庁で構成される米国世界規模気候変動研究プログラム（U.S. Global Change Research Program）は2017年11月3日、「気候科学特別報告書　～第4回米国気候評価～（Climate Science Special Report：Fourth National Climate Assessment （NCA4）, Volume I）」を発表した。
 
本報告書は、地球温暖化の主因は人間による活動であると提言し、気候変動に対するトランプ政権の立場とは正反対の結論を提示することとなった。本報告書は、過去115年間で地球の温度は華氏1.8度上昇し、異常気象や極端な気温などの原因となっていることを指摘したうえで、長期間に亘る温暖化傾向は明白で、自動車の運転、発電所の稼働、森林破壊などといった人間による活動以外には、説得力のある代替となる解釈は存在しないとした。
 
本報告書は、4年毎の発行が議会によって義務付けられた気候評価で、政府及び学術界の専門家数百人が作成に関与し、米国科学アカデミー（National Academy of Sciences）によるピアレビューを受けており、大統領府も発表を許可している。本報告書の首席執筆者で米国海洋大気庁（National Oceanic and Atmospheric Administration：NOAA）科学者のデービッド・ファヘイ氏（David Fahey）は、本報告書の審査にあたった連邦省庁13省庁からは、政治的圧力を受けることはなかったと発言した。なお、複数の大統領府職員は、トランプ大統領は本報告書の存在をほとんど知らないとコメントしている。
 
本報告書は、「Climate Science Special Report」から閲覧可能。
 

2017年11月3日
 
The New York Times：U.S. Report Says Humans Cause Climate Change, Contradicting Top Trump Officials