国立衛生研究所（National Institutes of Health：NIH）は2017年12月11日、NIH傘下の国立老化研究所（National Institute on Aging：NIA）が、アルツハイマー病及び関連する認知症の治療法に関する研究を促進・拡大するために、全米24州とワシントンDCの合計35カ所に所在する研究機関で構成される「アルツハイマー病臨床試験コンソーシアム（Alzheimer’s Clinical Trial Consortium：ACTC）」に対し、5年間に亘り約7,000万ドルを助成することを明らかにした。
 
ACTCは、南カリフォルニア大学（University of Southern California）アルツハイマー病治療研究所（Alzheimer’s Therapeutic Research Institute：ATRI）、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院（Brigham & Women’s Hospital、マサチューセッツ州）、マサチューセッツ総合病院（Massachusetts General Hospital）、及び、メイヨクリニック（Mayo Clinic、ミネソタ州）が主導し、NIAは、ACTCに科学的情報も提供することになる。
 
ACTCの具体的目的は以下の通り。

• 臨床試験実施の効率化を目的とした、専門家のリーダーシップを含むインフラの構築。
• 革新的な臨床試験の設計手段・アウトカム・分析戦略の開発。
• 臨床試験中及びその合間における臨床試験場の質の標準の維持。
• 特に多様な患者を対象とした、最先端の患者募集・保持戦略の開発及び実行。
• 集中型研究機関内審査委員会（Institutional Review Board）の活用。
• ACTCに関連するデータ捕捉システムの開発・運用。
• 標本のための集中型組織バンクの確保。
• 集中型の画像撮影・バイオ統計・バイオインフォマティクス・データ管理及び分析支援の提供。
• 官民パートナーシップの促進・管理。

 
2017年12月11日
 
National Institutes of Health：New NIH consortium award to enhance clinical trials for Alzheimer’s disease, related dementias