【ニュース・アメリカ】GAO、連邦政府による高等教育説明責任強化の機会を特定

 
政府説明責任局(Government Accountability Office:GAO)は2019年4月3日、教育省(Department of Education)による連邦学資援助管理において、①大学認可機関の認証、②大学の財務状況の監督、③大学の連邦学資ローン返済不履行率の監督、の3点を2014年~2018年に検証した内容をまとめた報告書「高等教育 ~連邦政府の説明責任を強化する機会~(Higher Education: Opportunities to Strengthen Federal Accountability)」を発表した。
 
本報告書は、1)教育の質、2)財務安定性、3)連邦学資ローン返済不履行、の高等教育3分野において、連邦政府による説明責任を強化するための機会を特定している。
 
1)に関しては、2014年にGAOから教育省に対し、教育省が大学認可機関の認証審査手続きを行う際に認可機関から提出されるデータを使用して、大学教育の質に関し、当該認可機関に一貫性を持って基準を適用・執行させるよう提案しており、教育省もこれに同意したが、まだ十分にデータが活用されていないことが判明した。
 
また、2)に関しては、教育省が大学の財務健全性を評価するために使用しているスコアが、20年以上前に作成されてから更新されておらず、大学閉鎖の予測が不正確になっていたことから、GAOは2017年に教育省に対してスコアの更新を行うことを提案したが、まだ実行されていないことが明らかになった。
 
さらに、3)に関しては、大学による連邦学資援助利用資格に影響を与える学資ローン返済開始後3年間の返済不履行率を低く保つために、大学がコンサルタントを雇って学資ローン利用者の返済不履行を管理させ、返済が滞る学生に対しては、本来は短期的措置であるべき返済遅延措置を長期に亘って適用する例が多数発覚し、返済義務が再開された返済開始後4年目の返済不履行率が非常に高くなる傾向が見られたために、2018年にGAOから連邦議会に対して、大学の責任を強化するための法改正を提案したが、まだ実行に移されていない。
 
なお、本報告書は、「Opportunities to Strengthen Federal Accountability」(PDF:473.2KB)からダウンロード可能。
 
2019年4月3日
 
Government Accountability Office:Higher Education: Opportunities to Strengthen Federal Accountability
 

地域 北米
アメリカ
取組レベル 政府レベルでの取組
行政機関、組織の運営 政策・経営・行動計画・評価
大学・研究機関の基本的役割 教育
レポート 海外センター