【ニュース・アメリカ】デボス教育長官、大学認可機関・オンライン教育に関する連邦改正規則交渉委員会が合意に至ったことを称賛

 
教育省(Department of Education)のベッツィー・デボス(Betsy DeVos)長官は2019年4月3日、大学認可機関及びオンライン教育に関する連邦規則改正について交渉を行っていた、大学・地域大学認可機関・全米大学認可機関・連邦学資援助管理者・学生代表者ら合計15人で構成される委員会が、規則案の合意に至ったことを発表した。
 
しかし、消費者擁護団体は、同委員会で合意された規則改正に関し、教育省監査総監から不十分と指摘されていた教育省による大学認可機関の監督が、さらに弱体化する可能性があると警告しており、大学アクセス・サクセス研究所(Institute for College Access and Success)副会長のベス・スタイン(Beth Stein)氏は、大学認可機関が学生を保護しなくなってしまうとコメントしている。
 
合意された内容は、大学認可機関に対する規制を緩和し、より多くの自由裁量権を与えることになる他、

  1. 教員と学生とのインタラクション要件を明確にする遠隔教育基準の改正、
  2. 教員を対象とする返済の必要のない奨学金プログラム「ティーチグラントプログラム(TEACH grant program)」を改正し、奨学金をローン扱いに転換された教員による異議申立を許可、
  3. 宗教大学による連邦学資援助プログラムへの参加制限の改正、
  4. 地域大学認可機関による管轄範囲の再定義、
  5. 大学プログラムの50%以上の第三者機関への委託許可、

などが含まれている。
 
デボス長官は、同委員会で合意に至ったことを称賛しているものの、公共政策研究擁護団体であるセンター・フォー・アメリカン・プログレス(Center for American Progress)高等教育担当副ディレクターのアントワネット・フローレス(Antoinette Flores)氏を始めとする同規則改訂批判者は、15人中僅か2人という学生代表者が、周囲からの圧力を受けて、最終的に大学認可機関及び大学に有利な規則を認めた可能性があると指摘している。
 
なお、教育省は、今後、同委員会での合意内容に基づく規則改正案を発表し、パブコメを受け付けた後で最終規則を制定することになる。
 
教育省によるプレスリリースは、「Secretary DeVos Applauds Consensus on Higher Education Reforms」から閲覧可能。
 
2019年4月4日
 
Inside Higher ED:New Rules for Accreditors
 

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