【ニュース・アメリカ】DARPAと民間コンソーシアム、マイクロエレクトロニクス分野の基礎科学工学研究に従事するJUMPセンター6機関を選出

 
2018年1月17日、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency:DARPA)と、共同大学マイクロエレクトロニクスプログラム(Joint University Microelectronics Program:JUMP)下の民間コンソーシアムは、マイクロエレクトロニクス技術における既存・新興の課題解決に向けて高リスク・高リターン研究を実施する米国大学の選出を完了したことを明らかにした。
 
これは、マイクロエレクトロニクス分野における基礎科学工学研究の強化を目的としたもので、JUMP研究センターとして6機関を採択し、米国大学30校超に所属する学術研究者に実験的研究を行う場を与えることを目指している。
 
元々DARPAでは、非営利民間団体の半導体研究会社(Semiconductor Research Corporation:SRC)と協力して、2016年からJUMPの基盤を構成する企業パートナーコンソーシアムに参加する企業を募集しており、IBM社、インテル社(Intel Corporation)、ロッキード・マーティン社(Lockheed Martin Corporation)などを含む多数の企業が、SRCが管理運営する同コンソーシアムに参加している。
 
今般選出されたJUMP研究センターには、5年間に亘って研究助成総額約2億ドルが拠出されるが、これは、DARPAが約40%、コンソーシアムが約60%負担して支給する予定である。DARPAのJUMPプログラムマネージャーを務めるリントン・サーモン(Linton Salmon)氏は、国防総省(Department of Defense)及び国家安全保障が2025年~2030年頃に必要とする革新的マイクロエレクトロニクス技術の開発につながるような、新たな基礎研究の流れを創出することが、JUMP及び6センターの目標としている。
 
JUMP研究センター6機関のうち、4機関は、用途に基づく目標達成と既存能力を遥かに上回る複雑なシステムの開発促進に重点を置く「垂直(vertical)」JUMPセンターで、

  1. パデュー大学(Purdue University、インディアナ州)が主導する「自律知能を可能とする脳から着想を得たコンピューティングセンター(Center for Brain-inspired Computing Enabling Autonomous Intelligence:C-BRIC)」、
  2. カリフォルニア大学サンタバーバラ校(University of California, Santa Barbara)が主導し、大学10校の研究者が関与する「集中型テラヘルツ通信・センシングセンター(Center for Converged TeraHertz Communications and Sensing:ComSecTer)」、
  3. カーネギーメロン大学(Carnegie Mellon University、ペンシルバニア州)が主導し、大学7校の研究者が関与する「広範的知覚・認知・行動のためのネットワークインフラにおけるコンピューティング(Computing On Network Infrastructure for Pervasive Perception, Cognition, and Action:CONIX)」、
  4. バージニア大学(University of Virginia)が主導し、大学9校の研究者が関与する「知的保存・メモリ内処理研究センター(Center for Research on Intelligent Storage and Processing-in-memory:CRISP)」、

の4センターである。
 
また、残りの2機関は、JUMPコンソーシアム企業に関係する分野における革新的ブレークスルーの創出を目標とした、特定分野における基礎開発を促進するための問題に取り組む「水平(horizontal)」JUMPセンターで、

  1. ミシガン大学(University of Michigan)が主導する「アーキテクチャ促進応用センター(Applications Driving Architectures (ADA) Center)」、
  2. ノートルダム大学(University of Notre Dame、インディアナ州)が主導し、大学13校の研究者が関与する「応用・システム主導高エネルギー効率ナノ技術統合センター(Applications and Systems driven Center for Energy-Efficient Integrated Nanotechnologies:ASCENT)」、

の2センターとなっている。
 
2018年1月17日
 
Defense Advanced Research Projects Agency:U.S. Electronics Innovation Leaps Forward Via Joint University Microelectronics Program
 

地域 北米
アメリカ
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