【ニュース・アメリカ】NSF環境研究・教育諮問委員会、持続可能な都市システム研究の方向性に関する指針を発表

 
米国科学財団(National Science Foundation:NSF)環境研究・教育諮問委員会(Advisory Committee for Environmental Research and Education:AC-ERE)の持続可能な都市システム小委員会(Sustainable Urban Systems Subcommittee)は報告書「持続可能な都市システム ~長期的収束研究課題の明確化~(Sustainable Urban Systems: Articulating a Long-Term Convergence Research Agenda)」を発表した。
 
本報告書は、都市に関する研究の方向性に関する指針としての役割を果たすもので、都市部は地球の陸上の僅か3~4%を占めるのみであるにもかかわらず、地域から世界全体に至るまで、人間及び環境の健全性に影響を与えていると指摘している。
 
また、同報告書は、次世代の持続可能な都市システム研究を開発するためには、より広範且つ長期的な研究課題が必要になるとしている。さらに、米国では、人口の約80%が都市部に居住し、国内総生産(GDP)の約85%を創出していることから、都市部が国家の繁栄・安全保障・健全性にとって非常に重要になるとしている。
 
但し、都市部及び郊外はイノベーションの原動力となる一方で、インフラの老朽化、不十分なインフラ、汚染による人間の健康へのリスク、食生活の乱れと非活動的ライフスタイル、災害・異常気象に対する脆弱性、経済機会の不平等などといった問題に直面していることも指摘している。
 
そのうえで同報告書は、都市の機能とその変化を理解するためには、人間・技術・インフラ・自然システムの間での相互作用を評価するために、新たなデータ・方法・理論が必要とされているとし、「自律電気自動車などといったイノベーション及び新技術はどのように都市部を変革するか?」「都市部の安全保障・災害への耐性・健全性を高めるにはどうすればよいか?」などといった疑問点に対する回答を見つけることが未来を左右することになるとしている。
 
なお、本報告書は、「SUSTAINABLE URBAN SYSTEMS:ARTICULATING A LONG-TERM CONVERGENCE RESEARCH AGENDA」(PDF:9.17MB)からダウンロード可能。
 
2018年1月17日
 
National Science Foundation:New, forward-looking report outlines research path to sustainable urban systems
 

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