独立大学協議会（Council of Independent Colleges：CIC）は2018年3月28日、CICに加盟する独立大学による収入増・コスト削減・財務状況強化のための取り組み例を紹介した報告書「イノベーションと独立大学　～セクタからの事例～（Innovation and the Independent College: Examples From the Sector）」を発表した。
 
本報告書は、変化の促進を望みながら、大学の体質・受容性を変化させるために支援を必要とする大学リーダーのための手引書的な役割も果たしている。CICは、これまでの関係性を維持しながら成長し続けるための変化の手段に関するワークショップを、2016年と2017年に全米で合計8回開催し、そこでの結果を、①運動競技、②職業的繋がり、③コミュニティとの繋がり、④コンソーシアム、⑤費用抑制、⑥カリキュラム改革、⑦新しい学術プログラム、⑧新入生、の8つのカテゴリーに分類して紹介している。
 
この中では、独立大学にとって、「費用抑制」が最も直接的な生き残りのための手段となっている中、人員削減以外のアプローチを検討する大学が多いとしており、例えば、ヒルバート大学（Hilbert College、ニューヨーク州）では、近隣大学と共同で福利厚生信託を編成し、その結果、2009年～2016年にかけて保険料の引き上げを抑制した例などが紹介されている。
 
また、同報告書は、遺伝学・ナノ科学・行動経済学・ジェンダー研究・デジタルアニメーション・サイバーセキュリティなどといった新興分野を導入した新規学術プログラムの設置を強く勧めている。
 
なお、本報告書は、「Innovation and the Independent College」（PDF:2.43MB）からダウンロード可能。
 
2018年3月28日
 
Inside Higher ED：Proof That Colleges Adapt, and a Prod for More Change