【ニュース・アメリカ】米国アカデミー、人の活動によるメタン排出量の測定・監督・記録の改善を提案

 
米国科学工学医学アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)は2018年3月27日、報告書「米国における人為起源メタン排出の特性化の改善(Improving Characterization of Anthropogenic Methane Emissions in the United States)」を発表した。
 
本報告書は、人間による活動を原因とするメタンの排出に関し、米国は測定・監督・記録を改善するための大胆な対策を講じる必要があると提案している。
 
また、温室効果ガスであるメタンに関してより優れたデータを持つことで、気候・経済・人間の健康に関連する政策決定に役立つとしている。人為起源メタンの排出源は、エネルギー・農業・廃物処理などを含む様々なセクタに広がるが、メタン排出量の測定・監督・記録は、気候変動だけでなく、鉱業労働者の健康・安全の保護などにとっても重要である他、メタン回収はエネルギー源としての経済効果も得られるとしている。
 
一般的には、

  1. 大気中のメタン濃度を測定し、メタン排出源から測定場所までの流れを模したモデルを作成するトップダウン式アプローチと、
  2. 個々のメタン排出源で排出量を測定し、結果に基づいて地域・全米レベルでの排出量を推定するボトムアップ式アプローチ

の2種類があるが、これら2つの方法による結果は顕著に異なることもあり、本報告書は、精度を高めるための努力の必要性を指摘している。
 
さらに、現在活用されている温室効果ガス記録(Greenhouse Gases Inventory:GHGI)を補うために、空間・時間的により細かく分割した記録を作成・保存することを提案している。
 
なお、本報告書は、「IMPROVING CHARACTERIZATION OF ANTHROPOGENIC METHANE EMISSIONS IN THE UNITED STATES」で閲覧可能。
 
2018年3月27日
 
National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine:New Report Recommends a Nationwide Effort to Better Estimate Methane Emissions

 

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