【ニュース・アメリカ】CFPB、2016年9月から1年間で学資ローンに関連する苦情約2万2,000件を受領

 
消費者金融保護局(Consumer Financial Protection Bureau:CFPB)は2017年10月16日、学資ローン利用者による苦情に関する年次報告書「CFPB学資ローンオンブズマン年次報告書(Annual report of the CFPB Student Loan Ombudsman)」を発表した。
 
本報告書は、CFPBが2016年9月1日~2017年8月31日の間に、学資ローン利用者から様々なローンサービスの問題に関する苦情約2万2,000件を受領したことや、利用者からの苦情が7億5,000万ドル超の学資ローン返済免除措置やローン返済プロセスの強化に繋がったことを明らかにしている。
 
過去10年間で学資ローン市場が急成長し、現在、米国人約4,400万人が学資ローン負債を抱え、連邦・民間学資ローンの負債総額は約1兆4,000億ドルに到達すると推測されている。この中で、800万人以上が少なくとも9カ月以上必要な返済を怠って返済不履行となっており、2016年に返済不履行となった利用者は120万人超であった。
 
CFPBは、これまでに学資ローン関連の苦情約5万700件に対応し、学資ローンサービス提供企業、負債取立業者、民間学資ローン金融機関、及び、学資ローン債務救済を販売する企業などを含む合計約360社に対して訴状を送付している。
 
それ以外の主な結果は以下の通り。

  • 現役軍務に就いた学資ローン返済者を対象とする自動利率引き下げシステムにより、10万人以上の利用者が少なくとも合計2,000万ドルの返済を減額。
  • 手続きの遅延、予想外の申込却下、及び、書類紛失などが原因で、収入に基づく返済プランへの申込が不適切もしくは不法に却下されることからローン利用者を保護し、2016年以降に少なくとも70万人が同プランに登録。
  • 民間学資ローンで保証人が死亡もしくは自己破産した際に自動的に返済不履行扱いとし、残額全額の一括返済を要求するシステムを、2016年3月にCFPBが一部金融機関で停止させたことを受け、学資ローンを提供する大規模金融機関最低6機関が自動債務不履行扱いに繋がる契約条項を廃止。また、2016-17学年度には、民間学資ローンを提供した金融機関の少なくとも3分の2は、予定通りに返済をしている利用者に対しては自動債務不履行を適用せず。

 
なお、本報告書は、「Annual report of the CFPB Student Loan Ombudsman」[PDF:523.44KB]からダウンロード可能。
 
2017年10月16日
 
Consumer Financial Protection Bureau:CFPB Report Finds Consumer Complaints Spurred Actions That Brought More Than $750 Million in Relief for Student Loan Borrowers
 

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