米大学院協議会（Council of Graduate Schools：CGS）と大学院進学適性試験委員会（Graduate Record Examinations (GRE) Board）は10月8日、報告書「大学院在籍と学位：2008年～2018年（Graduate Enrollment and Degrees: 2008 to 2018）」を発表した。

 
これによると、2018年秋学期に向けて大学院出願者数は前年度比2.2％増、新入大学院生数も同2.1％増で、修士・博士課程の種類を問わず、この傾向が見られた。その反面、大学院に進学した新入留学生数は前年比1.3％減で、減少傾向が継続していることが判明した。主な結果は以下の通り。

• ラテン系、黒人・アフリカ系、アジア系・太平洋諸島出身、米国先住民・アラスカ先住民学生の米国人大学院新入生の数が、それぞれ前年比6.8％増、3.5％増、6.2％増、8.3％増。
• 2018年秋学期の在籍者数が前年同期から大幅に増加した専攻分野は、数学・コンピュータ科学（4.3％増）、衛生科学（3.3％増）、教育（3.2％増）など。これに対し、工学専攻者は、前年同期と比較して、出願者数が6.9％減で、新入大学院生数が4.6％減。工学専攻者の大幅な減少の主因は、留学生数の減少。
• 2018年度秋学期への出願者数が多かった専攻分野は、工学（28万4,512人）、ビジネス（27万8,775人）、衛生科学（27万580人）など。
• 2018年度秋学期に向けた博士課程出願者数が前年同期から大幅に増加した専攻分野は、数学・コンピュータ科学（18.6％増）や行政・サービス（12.9％増）など。一方、修士課程出願者数では、社会・行動科学（9.3％増）や数学・コンピュータ科学（5.4％増）など。
• 2017-18学年度に付与された大学院修了証のうち、62％は公立大学、33.7％は非営利私立大学、4.4％は営利大学が付与。
• 2018年秋学期に大学院に入学した米国籍・永住権保有者の約24.1％がマイノリティで、STEM分野では、米国先住民・アラスカ先住民、黒人・アフリカ系、ヒスパニック・ラテン系大学院生の割合が特に低い。
• 2018年秋学期の大学院新入生のうち、女子学生が占める割合は、修士課程・修了証取得課程では59.7％で、博士課程では54.4％。また、新入生全体の80.2％は米国籍・永住権保有者で、留学生は19.8％。
• 留学生の占める割合が高い専攻分野は、数学・コンピュータ科学（55.6％）や工学（51％）など。

なお、本報告書は、こちらからダウンロード可能。
 

Council of Graduate Schools: Graduate Application & First-Time Enrollment Counts on the Rise at U.S. Colleges and Universities