センチュリー財団(The Century Foundation:TCF)は2017年11月8日、教育省(Department of Education)から「連邦学資ローン利用者保護申立(borrower defense claim)」約10万件に関するデータを入手したことを明らかにした。
本データは、「情報の自由法(Freedom of Information Act:FOIA)」に基づくTCFからの要請に対して教育省が提供したもので、2017年8月15日までに米国大学が受領した申立合計9万8,868件の情報が含まれており、米国高等教育機関に対する学生からの申立として初の公式記録となる。TCFが同データを分析した結果、搾取的行為は営利大学によるものが圧倒的であることが判明した。
主な結果は以下の通り。
- TCFが検証した苦情申立9万8,868件のうち、98.6%に相当する9万7,506件は営利大学に対するもので、非営利私立大学に対するものは0.79%(789件)、公立大学に対するものは0.57%(559件)。
- 全申立件数の76.2%に相当する7万5,343件は、既に閉鎖された営利大学のコリンシアン大学(Corinthian Colleges)に対するもの。但し、同大学に対する申立を除く2万3,525件に関しても、約94%に相当する2万2,160件は営利大学に対して提出されたもの。
- 申立の大半は、営利大学47校と非営利私立大学5校の合計52校に集中しているが、これらの非営利私立大学5校のうち3校は営利大学から非営利大学に転換された大学。
- 不正行為に対する苦情の未処理分は現在約8万7,000件で増加傾向にあり、8月中旬以降に提出された新規申立件数は1カ月平均約8,000件。
- 近年、営利大学に入学した学生が大学の不正行為に対する申立を提出する確率は、公立大学に入学した学生の1,100倍。
2017年11月8日
The Century Foundation:College Complaints Unmasked