ピュー研究センター(Pew Research Center)は2017年11月20日、米国移民税関捜査局(Immigration and Customs Enforcement:ICE)のデータを分析した結果、学生ビザ(F-1)を取得して2016年に米国大学に初めて在籍した留学生数は約36万4,000人で、経済低迷中の2008年から倍増したことを明らかにした。
また、2008年~2016年の間に、米国大学に在籍する新規留学生数は104%増加し、大学在籍者数全体の増加率3.4%を大幅に上回ったという。この増加は、公立大学において最も顕著で、経済不況による予算縮小の結果、大学は留学生からの授業料収入への依存度が高くなったことを示唆している。
主な分析結果は以下の通り。
- 公立大学在籍する留学生数は、2008年の10万956人から2016年の20万9,217人への107%増であるのに対し、私立大学では7万2,953人から14万4,697人への98%増。一方、同期間中の大学在籍者数全体の動向は、公立大学では1%減、私立大学では22%増。
- 学士号取得を目指す留学生数は、2008年~2016年の間に151%増であったのに対し、公立大学在籍者全体では3%増にとどまる。また、公立大学で準学士号取得を目指す留学生数は99%増であったのに対し、米国人学生数は19%減。
- 2016年に留学生が支払った授業料・滞在費・食費などを含む高等教育費は総額155億ドルと予測され、2008年の55億ドルから184%増。公立大学に限定すると、2008年の25億ドルから2016年の78億ドルに約214%増。
- 2016年の新規留学生全体の49%は大学院進学者で、修士課程進学者が41%で博士課程進学者が8%。この他、学士課程進学者が38%、準学士号課程進学者が13%。
- 2016年の新規留学生のうち、全体の30%を占める約10万8,000人は中国出身、18%を占める約6万6,000人はインド出身、6%を占める約2万1,000人は韓国出身で、これら3カ国出身者が全体の54%を占める。
- 新規留学生全体の63%は、カリフォルニア州・ニューヨーク州などの上位10州に集中。
2017年11月20日
Pew Research Center:New foreign student enrollment at U.S. colleges and universities doubled since Great Recession