【ニュース・アメリカ】2015-16学年度の米国高校卒業率、5年連続で増加して過去最高の84%に

 
教育省(Department of Education)傘下の米国教育統計センター(National Center for Education Statistics:NCES)は、2015-16学年度の米国における高校卒業率に関する新たなデータを発表した。これによると、卒業率は、前年度の卒業率83.2%を1%近く上回る84%で、5年連続で増加を続けて過去最高となったことが明らかにされた。
 
卒業率の上昇は、全てのグループにおいて見られ、黒人生徒及び英語学習者のグループはいずれも前学年度比1.8ポイント増、低所得層生徒及びヒスパニック系生徒のグループはいずれも同1.5ポイント増となった他、障害を持つ生徒のグループは、同約1ポイント増となった。
 
その反面、アジア系米国人生徒グループの卒業率はアフリカ系米国人生徒グループの卒業率を14ポイント上回ることや、低所得層生徒グループの卒業率は全体の卒業率を6ポイント以上下回ることなど、格差があることが懸念事項として挙げられた。
 
これらの結果を受けて、ジョンズホプキンス大学(Johns Hopkins University、メリーランド州)所属の研究者ロバート・バルファンツ(Robert Balfanz)氏は、進歩を最も必要とする低所得層・マイノリティー・障害を持つ生徒のグループにおける向上が見られることから、卒業率の上昇は、人々が問題を深刻にとらえたことの証拠とコメントしている。但し、高校卒業に向けた生徒の取り組みが適切なものであることが重要とし、安易に卒業証書を付与してその価値を落とすことがないようにと警告している。
 
なお、発表されたデータは、「National Center for Education Statistics」から閲覧可能。
 
2017年12月4日
 
Education Week:U.S. Graduation Rate Hits New All-Time High, With Gains in All Student Groups
 

地域 北米
アメリカ
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