【ニュース・アメリカ】職業研修制度を定期的に導入する職業、現状の27職種から74職種に拡大できる可能性

 
ハーバードビジネススクール(Harvard Business School、マサチューセッツ州)の「将来の仕事管理プロジェクト(Managing the Future Work Project)」と労働市場分析企業のバーニンググラス・テクノロジー社(Burning Glass Technologies)は2017年11月30日、職業研修生制度(apprenticeship)の現状を分析した報告書「成長の余地 ~職業研修生制度の新たな未開拓分野の特定~(Room to Grow:Identifying New Frontiers for Apprenticeships)」を発表した。
 
現政権下で超党派的支持を受けている職業研修生制度は、スイスでは240職種において導入されているのに対し、米国では、労働省(Department of Labor)が追跡する職業810種類のうち、研修生制度を定期的に導入している職業は27種類で、2016年には、約41万人が研修生として参加している。
 
この27職種のうち、17職種は「建設・採取」職業群に分類され、残りの10職種は「取り付け・維持管理・修理」もしくは「製造」職業群に分類されている。また、これら27職種には、例えばIT・サービス関連などといった新興の職業が含まれていない他、「取り付け」関連の職種にも太陽発電パネル取り付け士などのような新しい技術を取り扱う役割は含まれていないことが明らかにされた。
 
本研究では、これらの新興分野を含め、研修生制度を拡大させる可能性のある職業を74種類特定しており、これら74職種において研修制度の機会が開かれると、さらに330万人の研修生が同制度の下で就労する可能性があると分析されている。本報告書は、学士号を必要としない職業が同制度の拡大及び促進において重要な役割を果たすとしている他、職業研修生制度の拡大により、「学位インフレ(degree inflation)」と呼ばれる問題解決にも繋がることが期待できるとしている。
 
なお、シンクタンクのニューアメリカ(New America)教育政策プログラム傘下の教育・スキルセンター(Center on Education and Skills)ディレクターを務め、過去に教育省(Department of Education)及び労働省での勤務経験を持つメアリー・アリス・マッカーシー(Mary Alice McCarthy)氏は、本報告書で特定された74職種はさらに拡大可能で、職業研修生制度の下でさらに多くの機会を提供することができるとコメントしている。
 
本報告書は、「Room to Grow Identifying New Frontiers for Apprenticeships」からダウンロード可能。
 
2017年11月30日
 
Burning Glass Technologies:Who Are the Apprentices in the U.S.?
 
Inside Higher ED:Expanding Apprenticeships Across More Jobs
 

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
その他 その他
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