【ニュース・アメリカ】米国芸術科学アカデミー、「大学の未来委員会」が作成した将来の米国高等教育に関する報告書を発表

 
米国芸術科学アカデミー(American Academy of Arts&Sciences:AAAS)は2017年11月30日、ニューヨーク・カーネギー財団(Carnegie Corporation of New York)からの助成を受給して編成した、高等教育・慈善事業・企業・政府のリーダーで構成される「大学教育の未来委員会(Commission on the Future of Undergraduate Education:CFUE)」が2年間をかけて作成した高等教育に関する報告書「大学教育の未来、米国の未来(The Future of Undergraduate Education, The Future of America)」を発表した。
 
本報告書は、大学における質の高い教育の提供と卒業は不可欠で、21世紀においては、大学で単位を取得したというだけでは十分な教育を受けたとは言えないとしている。また、質の高い教育を提供するために国家的アプローチを提案し、具体的には「大学卒業率の向上」「学生グループ間での不公平の緩和」「大学学費の管理」の3点を国家戦略として挙げている。
 
さらには、大学教育の改善及び卒業者数増加に向けた実践的解決策を提案しており、提案事項には、大学教員に対する研修の強化、データとカウンセリングとの統合の支援、非テニュアトラック教員に対する安定した専門職の提供、学生による学習に関する信頼性ある評価基準の導入、などが含まれる。
 
それ以外では、

  1. タイムリーな卒業に対する支援を目的とした、低所得層学生のための連邦奨学金「ペルグラント(Pell Grant)」制度の改革、
  2. 学資ローン利用を簡略化し、将来の返済免除の必要性を制限するために、単一の収入に基づく返済プランの立ち上げ、
  3. 学生追跡システムの作成、
  4. 大学の連邦学資援助受給資格の厳格化、

などが提案されている。
 
なお、本報告書は、「THE FUTURE OF UNDERGRADUATE EDUCATION」(PDF:1.58MB)からダウンロード可能。
 
2017年11月30日
 
American Academy of Arts and Sciences:Priorities for Undergraduate Education in America: Improving Quality, Affordability, and Completion Rates
 

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
その他 その他
レポート 海外センター