【ニュース・アメリカ】高等教育機関卒業後の収入、学位の種類・専攻分野・在籍した教育機関によって大きく変化

 
シンクタンクのアメリカン・エンタプライズ・インスティテュート(American Enterprise Institute:AEI)は2017年10月20日、大学学位と卒業後の収入・機会を学位の種類・専攻分野などで比較した報告書「機会の程度 ~大学卒業後の収入実績から学んだ教訓~(Degrees of Opportunity: Lessons Learned from State-Level Data on Postsecondary Earnings Outcomes)」を発表した。
 
本報告書は、学士号保有者の平均収入は、準学士号保有者・非学位修了証保有者・研修生制度修了者などの平均収入を上回るものの、収入額は、学位の種類、専攻分野、及び、在籍した教育機関によって大きく異なることが明らかにされた。
 
具体的に本調査では、米国研究所(American Institutes for Research:AIR)の一部門であるカレッジ・メジャーズ(College Measures)がとりまとめたデータを利用して、卒業から5年後の収入及び20年間の投資利益を、フロリダ州・テキサス州・テネシー州の公立高等教育機関を卒業した学士号保有者、準学士号保有者、修了証保有者、及び、研修生制度プログラム修了者の間で比較した。
 
その結果、

  1. 準学士号及び修了証課程の多くが、中流階級に様々なキャリアパスを提供すること、
  2. 学位のレベルに関係なく、専攻分野が大学卒業後の収入に大きく影響し、衛生・工学などを含む技術系分野のスキル中心プログラム修了者が伝統的なアカデミア分野のプログラム修了者よりも利益の高い職業に就くこと、
  3. 著名州立大学が高給職への就職機会を多数提供する一方で、地方大学及びコミュニティカレッジも同様の機会を提供すること、

などが明らかにされた。この結果を受けて本報告書は、学士号にこだわらず、それ以外の高等教育資格を活用することで、より多くの教育機会の提供が可能となり、学生の経済的成功へと導くことができると結論付けている。
 
2017年10月20日
 
American Enterprise Institute:Degrees of opportunity: Lessons learned from state-level data on postsecondary earnings outcomes
 

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