トランプ大統領は12月19日、連邦政府から歴史的黒人大学（historically black college and university：HBCU）、ヒスパニック系学生受入大学、先住民部族大学などといったマイノリティ受入大学への補助金付与を無期限で認める「教育資金支給による大学生の才能育成法（Fostering Undergraduate Talent by Unlocking Resources for Education：FUTURE Act）」案に署名し、これを法制化した。

 
 FUTURE法の成立前に施行されていた、マイノリティ受入大学に年間2億5,500万ドルの補助金を付与する法律は、2019年9月30日に失効しており、共和党と民主党との間で、補助金付与期間延長に関して合意に至らない状態が続いていた。

 
 本法は、連邦学資ローン利用者による収入に基づく返済プラン登録手続きや、大学生及び大学進学希望者による連邦学資援助無料申請（Free Application for Federal Student Aid：FAFSA）手続きを、国税庁（Internal Revenue Service：IRS）に提出された税申告関連情報を教育省（Department of Education）と共有することで簡略化し、そこで節約できるコストをマイノリティ受入大学補助金に充てるというもので、特に連邦議会下院が積極的に可決を目指していた。

 
 しかし、外部業者による当該情報へのアクセスが可能となることから、プライバシー問題を懸念する一部の上院議員は、同法案可決に消極的であった。

 
 最終的には、下院版法案が、希望者は、IRSと教育省との間で税申告関連情報を共有せずに手続を行うことができるオプションを含めたことから、上下両院での可決・法制化に繋がった。なお、同法の下で手続きを簡略化することにより、連邦政府は10年間で28億ドルの経費節約が可能になるという。
 

The Washington Post：　Bipartisan bill to fund minority-serving colleges, streamline student aid signed into law

12月19日