【ニュース・アメリカ】複数大学と業界団体、「H-1B」就労ビザ規則変更への異議申立でトランプ政権を提訴

 

トランプ政権が専門スキル保有者対象の「H-1B」就労ビザ規則を変更したために、同ビザ取得資格者の枠が狭められることに加え、同ビザ保有者に対する
大幅給与引き上げが義務付けられることを不服
とし、複数大学が業界団体などと共同で同政権を提訴した。

 
原告には、ロチェスター大学ユタ大学、及び、カリフォルニア工科大学を含む大学数校の他、大学約500校が加盟する高等教育・移民学長同盟
米国商工会議所米国製造業者協会米国国際医療ケア求人協会などが含まれ、訴状はカリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所に提出された。

 
本訴訟では、国土安全保障省が発表した、H-1Bビザ取得資格の対象となる「専門職」の定義を狭め、新たな制約を加えた12月7日施行予定の最終規則と、
労働省が10月8日に施行した、H-1Bビザ保有者に対する給与大幅引き上げを義務付ける規則
の2つに関し、異議を申し立てている。

 
例えば、ユタ大学で契約更新予定のH-1Bビザ保有職員の場合、現在の給与は、労働省が現行規則で定める最低給与6万2,760ドルを大きく上回る
約8万ドルであるが、更新後は新規則の下で当該職員に年間20万8,000ドルを支払う義務が生じるという。

 
また、ロチェスター大学では、同大学傘下のRNA生物学センター勤務のH-1Bビザ保有研究者に対し、労働省新規則に基づくと契約更新時に給与
最高127%引き上げが義務付けられ、契約更新が不可能になる可能性が高いことから、雇用関係及び進行中研究に悪影響を及ぼすとしている。

 
さらに訴状は、労働省の新規則の下では、雇用者に10年間で最低1,982億9,000万ドルのコスト負担を強いることになるとし、労働者保護のため
の給与増の域を超えていると主張した。

 
なお、本訴状は、こちらからダウンロード可能。
 
10月21日


Inside Higher ED: Colleges Sue Trump Administration Over H-1B Rules


地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
人材育成 研究者の雇用