【ニュース・アメリカ】米国著名大学における会議講演者、男性の割合が女性の約2倍

 
ライス大学(Rice University、テキサス州)心理学教授のミッシェル・ヘブル(Michelle Hebl)氏らは、学術セミナーなどの会議における講演者の性別による格差に関する調査結果をまとめた研究論文「著名大学における会議講演者に見られる性格差(Gender disparities in colloquium speakers at top universities)」を米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences)で発表した。
 
本論文では、2013-14学年度に米国の著名大学50校で行われた会議講演者3,652人を検証した結果、職位及び会議の専攻分野などの調整後も、男性の占める割合が女性を上回ることが明らかにされた。
 
本論文筆頭執筆者でヘブル教授に師事する大学院生のクリスティン・ニトラウア(Christine Nittrouer)氏によると、会議での発言は就職や専門性を生かす機会に繋がることが多いが、会議の議長が女性である場合、女性を講演者に選択する割合は平均49%であるのに対し、男性が議長の場合は、女性講演者が選出される割合は30%に留まるという。
 
ヘブル氏らは、USニューズ・アンド・ワールドレポート(U.S. News & World Report)が発表する大学ランキングに基づいて、上位50校にランクインする大学の学部ウェブサイトに掲載された会議講演者のリストをデータベースとして作成し、生物学・生物工学・政治科学・歴史学・心理学・社会学の6分野において、講演者の性別を調査した結果、女性の割合は全体の22~47%であることが判明した。
 
その他の主な結果は以下の通り。

  • 会議における講演全体の69%(2,519件)は男性講演者によるもので、女性講演者によるものは全体の31%(1,133件)のみ。また、職位別では、教授が1,781件と最多で、准教授が989件、助教が882件。
  • 講演者の約3分の1は個人によって選出され、3分の2は委員会が選出。会議議長のサンプルでは、女性が11人であったのに対し、男性は23人。

 
なお、本論文の要約は、「Gender disparities in colloquium speakers at top universities」で閲覧可能。
 
2017年12月19日
 
Inside Higher ED:The Missing Women

 

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
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