米国科学工学医学アカデミー（National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine）のメキシコ湾岸研究プログラム（Gulf Research Program：GRP）は2017年12月7日、新規プロジェクト6件に対し、総額1,080万ドルを助成することを発表した。
 
これら6件のプロジェクトは、いずれも海洋石油・ガス事業におけるシステム上のリスクの理解・管理の改善に繋がる新たな技術・プロセス・手順を開発するための研究である。海洋石油・ガス事業における最大のリスクは管理されない炭化水素放出で、人間の健康と安全、環境、インフラなどに脅威を及ぼすことになる。
 
GRP海洋エネルギーシステム安全性向上イニシアティブ（Safer Offshore Energy Systems initiative）のプログラム役員を務めるケリー・オスクビグ（Kelly Oskvig）氏は、今回選出されたプロジェクトは、深海掘削ライザー内のガス放出問題、炭化水素放出の遠隔検知能力の開発、セメントミキサーの設計改善及び封止技術の向上、及び、海洋環境下での意思決定を支援するためのツールの開発などといった、海洋事業におけるリスク要因に対応するとコメントしている。
 
外部ピアレビュープロセスによって選出されたプロジェクトは、ミシシッピ大学（University of Mississippi）が主導し、59万1,000ドルの助成を受給する「炭化水素漏れの検知・位置確認・特性化のための受動的音響技術」を含む6件である。
 
なお、助成受給研究プロジェクトのリスト及び詳細は、「2017 Research and Development Grants Recipients」から閲覧可能。
 
2017年12月7日
 
National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine：National Academies’ Gulf Research Program Awards $10.8 Million to Address Systemic Risk in Offshore Oil and Gas Operations