米国科学工学医学アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)は2017年10月26日、コンピュータ科学を専攻する大学生が急増した現状を受けて実施する、大学による対策の長所・短所を検証した報告書「コンピュータ科学専攻大学生の増加への対応の評価(Assessing and Responding to the Growth of Computer Science Undergraduate Enrollments)」を発表した。
本報告書は、コンピュータ科学専攻大学生の急増により、多くの大学で資金面での負担が生じていることから、大学は緊急に対応すべきと提言している。同分野専攻学生の急増は、労働市場の影響を受けたもので、コンピュータ関連の求人件数がコンピュータ科学専攻の大卒者数を大きく上回っていることによる。労働統計局(Bureau of Labor Statistics)によると、コンピュータ関連の職業は、技術セクタを越えて、1975年~2015年の間に約20倍に増加し、求人件数は、コンピュータ及び情報科学分野での学士号取得者数増加の約2倍の速度で増加しており、特に、サイバーセキュリティ、データ科学、及び、機械学習分野における専門性保有者の需要が高いという。
また、本報告書は、コンピュータ科学は多様性が最も低い専攻分野の1つであることから、大学が同分野専攻学生数の増加に対応する際には、コンピュータ科学専攻学生の多様性への影響を監督すべきで、多様性拡大に向けた慎重な対応を行うべきと提案している。さらには、コンピュータ科学課程の需要は同分野専攻学生に留まらず、他分野専攻学生の間でも、職場及び日常生活におけるコンピュータスキルの重要性を反映して、コンピュータ科学課程への関心は高まっていることが明らかにされている。
そのため、大学は、計画を策定する際に、大学全体におけるコンピュータの役割を考慮した長期的戦略を策定すべきとし、大学当局は、コンピュータ科学部と協力し、教員数に見合った適切な目標設定と、戦略的な教員の採用・保持を行うべきと提案している。
なお、本報告書は、「ASSESSING AND RESPONDING TO THE Growth of Computer Science Undergraduate Enrollments」から閲覧可能。
2017年10月26日
National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine:Colleges and Universities Should Take Action to Address Surge of Enrollments in Computer Science
【ニュース・アメリカ】米国科学工学医学アカデミー、コンピュータ科学専攻大学生の急増への緊急対応の必要性を大学に提言
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