【ニュース・アメリカ】米国科学工学医学アカデミー、今後10年間の米国食物・農業システムの持続可能性・競争力・耐性向上のために最も有望な科学的ブレークスルーを特定

2018年7月18日、米国科学工学医学アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)は今後10年間、米国における食物・農業システムの持続可能性・競争力・耐性を向上させるにあたり、最も有望な科学的ブレークスルーを特定した報告書「2030年までに食物・農業研究を進歩させるための科学的ブレークスルー(Science Breakthroughs to Advance Food and Agricultural Research by 2030)」を発表した。

 

本報告書は、米国における食物供給は全般的には保障されているものの、食物媒介性疾患の流行や、農作物・家畜・家禽の疫病・病原体に対する絶え間のない脅威から逃れることはできないとしている。
同報告書を作成した委員会が特定した、食物・農業科学能力を劇的に向上させる可能性のあるブレークスルー機会は以下の通り。

  • 食物・農業システムの異なる要素間での相互作用の特徴を理解するためのアプローチは、全般的なシステムの効率性・回復力・持続可能性の向上につながる可能性がある。
  • 高感度且つ現場に配置可能なセンサー及びバイオセンサーの開発・認証は、様々な食物・農業分野全体における迅速な検知・観測を可能にする。
  • データ科学・ソフトウェアツール・システムモデルの適用・統合は、食物・農業システム管理のための先進分析を可能にする。
  • 農業において重要な有機体の定期的遺伝子編集を可能とする能力は、生産性及び品質にとって重要な形質の正確且つ迅速な改善につながる。
  • 微生物叢と農業との関連性の理解とその知識の活用は、作物の生産性を向上させ、餌の効率性を変革し、ストレス及び病気への耐性を向上させる。

なお、本報告書は、以下より閲覧可能。
National Academies Press:Science Breakthroughs to Advance Food and Agricultural Research by 2030

 

National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine:New Report Identifies Five Breakthroughs to Address Urgent Challenges and Advance Food and Agricultural Sciences by 2030

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