【ニュース・アメリカ】米国政府新規制により、大学生の医療保険料負担が大幅増額される可能性

2018年8月1日、米国政府は最長1年間の低価格の短期医療保険の購入と、最高3年間の更新を認める新規則を発表した。

 

これらの医療保険の保険料は、医療保険制度改革(通称オバマケア)の一環である「患者保護並びに医療費負担適正化法(Patient Protection and Affordable Care Act:ACA)」の下での加入が可能な保険プランの保険料よりも大幅に低価格ではあるものの、妊産婦ケアや処方薬が対象外であり、ACAが禁止する年間・生涯支給額上限が設定されるなどといった問題がある。また、大学が在学生に提供する医療保険は、ACA基準を満たすものであるが、学生が保険料の低い短期医療保険を選択する可能性があり、その結果、大学が提供する医療保険の利用者数が減少し、学生の負担額が高騰する可能性があると危惧されている。特に、保護者の医療保険の被保険者となれない27歳以上の大学院生の負担額が大幅に増額される可能性があるという。

 

米国大学衛生協会(American College Health Association:ACHA)が大学生約6万3,400人を対象として2017年に実施した調査によると、大学生・大学院生全体の約18%は大学が提供する医療保険を利用しているのに対し、大学院生だけで見ると、約47%が大学提供の医療保険加入者であることが判明している。ACHA最高経営責任者のデビン・ジョップ(Devin Jopp)氏は、トランプ政権が推奨する短期医療保険は、表向きには選択肢を提供するものとしながら、実際には控除免責金額が非常に高額であるなど、質の低いもので、保険利用が必要な学生にとって、更なる負担になるとコメントしている。

 

2018年8月3日

 

Inside Higher ED:Destabilizing the Student Insurance Pool?

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