【ニュース・アメリカ】研究論文で米中両国の研究機関への所属を公表する研究者数、過去3年間で20%以上減少

 
学術誌「ネイチャー」が実施した分析から、研究論文で米国と中国の両方の研究機関所属を公表する研究者数が2018年には年間1万5,000人以上であったものが、2021年には1万2,500人未満となり、3年間で20%以上減少したことが明らかにされた。また、米国と中国の研究者による共同研究に関する論文数も、2021年に初めて前年比減となった。国際共同研究件数の減少は、新型コロナウイルス感染症パンデミックが一因と考えられるが、それに加えて米中間の政治的緊張も原因と分析されており、これには、中国政府との繋がりを隠蔽した研究者による米国研究機関を標的とするスパイ行為防止が目的とされた「中国イニシアティブ」(2022年に廃止)の影響もある。

 
ケント大学社会学者のジョイ・チャン氏によると、2015年~2016年に、外国人研究者が中国訪問に必要なビザ及び、中国人研究者が他国を訪問するためのビザの取得が困難になり始め、2018年からは、米国政府による中国イニシアティブの下での米国拠点の研究者に対する中国との協力に関する調査が開始されたことに加え、米国ビザ規制強化と輸出規制強化により、米中二国間の研究パートナーシップは損なわれ、中国在住研究者は米国訪問を断念するようになったとしている。

 
5月30日


Nature: The number of researchers with dual US–China affiliations is falling


地域 北米
アメリカ
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