【ニュース・アメリカ】教育省、WGUに対して連邦学資援助の返金を要求せず

 
教育省(Department of Education)は2019年1月11日、教育省監査総監室(Office of Inspector General:OIG)が2017年9月に発表した監査報告書で、米国最大のオンライン大学であるウエスタン・ガバナーズ大学(Western Governors University:WGU)が、教員と学生との間での相互交流に関して連邦政府が定める要件を満たしておらず、WGUは連邦学資援助で受給した7億1,300万ドルを返金すべきとしていたことに対する回答を発表した。
 
本報告書作成時に監査総監を務め、2018年に教育省を退職したキャスリーン・タイ(Kathleen Tighe)氏は、WGUにおける教員と学生との相互交流の大半は文書によるもので、提供されるオンライン講座の半分以上が文書でのやり取りによる場合は連邦学資援助受給対象とならないとする、遠隔教育プログラムを定義した1992年の法律に則って、連邦学資援助返金を提案していた。
 
しかし、教育省連邦学資援助局(Office of Federal Student Aid:FSA)が11日にWGUに送付した書簡は、法律及び規則が曖昧で、監査当時の指針が不明確であったことから、連邦学資援助の返金は要求しないという内容であった。
 
FSAは、WGU及び同大学の認証機関が、遠隔教育の定義に準拠し、学生と教員との間で定期的且つ十分な相互交流のための努力を行っていることが認められるとしている。また、WGUが単位時間基準に準拠していないという監査結果に関しては、教育省は新規則策定に向けて交渉中で、質の高い革新的プログラムの成長を支援するための明確性が含まれることに期待するとしている。WGUは、FSAからの回答により、同大学が今後も連邦学資援助プログラム参加継続が可能であることが確認できたとの声明を11日に発表している。
 
なお、教育省OIGが2017年に発表した報告書は、Western Governors University Was Not Eligible to Participate in the Title IV Programs[PDF:1.62MB]からダウンロード可能。
 
2019年1月14日
 
Inside Higher ED:No Penalty for Western Governors

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