公共政策シンクタンクのサードウェイは11月20日、ウィスコンシン大学マディソン校教育学部准教授のニック・ヒルマン氏が執筆した報告書
「富裕大学がより豊かになり、資金難の大学がより困窮するのはなぜか ~高等教育における公平性に基づく資金配分事例~(The Case for Equity-Based Funding in Higher Education)」を発表した。
本報告書は、営利大学及び一部の専門大学を除く、高等教育法第4条の下で連邦学資援助を受給する大学を対象とするもので、これによると、
コミュニティカレッジや地方総合大学のように入学率が80~100%の大学では、フルタイム学生1人当たりに大学が投入する資金は年間平均
約1万5,000ドルであるのに対し、競争率の高い入学率40%未満の難関大学では、同約5万2,000ドルを投入しているという。
これについて、ヒルマン氏は、州・連邦政府からの補助金が大学の種類によって不均等に分配されているために、学生間での不平等が拡大されて
いると指摘した。また、小・中・高等学校(K-12)教育においては一般的に行われている公平性・適切性に基づく資金提供について、高等教育
においても検討の対象にすべきと主張している。
さらに、競争率の高い大学は、出願者の大半が合格する大学と比較すると、低所得層学生及び非白人学生が少ないにもかかわらず多額の補助金が割り当て
られており、このような大学間での支出格差は人種・社会経済的公平性を損ねるものとした。
11月20日
地域 | 北米 |
国 | アメリカ |
取組レベル | 大学等研究機関レベルでの取組 |
行政機関、組織の運営 | 予算・財政 |
大学・研究機関の基本的役割 | 教育 |