大統領府は2017年12月19日、トランプ政権下での国家安全保障戦略(National Security Strategy)を発表した。本戦略では、米国内への外国人の入国審査を強化するというトランプ政権の公約を再度強調しており、知的財産盗難を防止するために、STEM(Science, Technology, Engineering, and Mathematics)分野を専攻する特定国出身の留学生に対し、新たな制限が加えられる可能性が浮上している。
本戦略には、「最も優れた技術的人材を米国で採用することの重要性を認識する一方で、知的財産が競合国に流出しない状況を確保するために、指定国からのSTEM専攻留学生に対する制限を検討する」と記載されている。
大統領府は、STEM専攻留学生に関する条項では、制限の詳細や制限対象となる指定国には言及していないが、知的財産盗難の脅威に関する条項には「中国などといった競合国」と記載されている。
これに対し、NAFSA国際教育者協会(NAFSA:Association of International Educators)で公共政策担当エグゼクティブディレクター代理を務めるジル・ウェルチ(Jill Welch)氏は、具体的詳細は大統領府から発表されていないものの、「特定指定国」からのSTEM専攻留学生に対する制約は、不当且つ有害な禁止令となる可能性があるとの懸念を表明している。
なお、大統領府発表の国家安全保障戦略は、「NATIONAL SECURITY STRATEGY of the United States of America」(PDF:1.74MB)からダウンロード可能。
2017年12月19日
Inside Higher ED:White House May Restrict Some Foreign Students
【ニュース・アメリカ】大統領府、知的財産盗難防止のために特定指定国出身のSTEM専攻留学生に対する制限の検討を国家安全保障戦略で示唆
地域 | 北米 |
国 | アメリカ |
取組レベル | 政府レベルでの取組 |
人材育成 | 学生の多様性 |
レポート | 海外センター |