【ニュース・アメリカ】国務省、学生ビザ申請書類の処理能力がパンデミック前に戻るには時間を要する見込み

 
国務省でビザ政策アナリストを務めるキャスリン・ストロング氏は、6月4日にオンライン開催された NAFSA 国際教育者協会の年次会議において、学生ビザ申請書類の処理を優先させているものの、処理能力が新型コロナウイルス感染症パンデミック前の状態に戻るにはまだ時間を要すると発言した。

 
2020年秋学期に米国大学に在籍した留学生総数は前年同期比16%減で、中でも新入留学生数は同43%減と推測されていることから、高等教育機関関係者らは、2021年秋学期にも影響が残ることを懸念している。2021年5月12日時点では、非移民ビザを処理する223拠点のうち160拠点で定期的なビザ申請予約を受け付けているものの、残りの63拠点は緊急事例を除いてはまだ閉鎖したままといい、国務省が中国人留学生によるビザ申請手続きを再開したのは2021年5月に入ってからという。

 
ストロング氏は、国務省は学生・交換訪問者ビザ申請手続きの処理を優先させているとしながら、既に提出された未処理の申請書類が多数あるため、短期間で通常の処理能力を回復することはない見込みとしている。但し、パンデミックに関連して入国不可とされている33カ国出身の留学生に関しては、プログラム開始日が2021年8月1日以降である場合、国益に基づく例外として、ブラジル・中国・インド・イラン・南アフリカ出身の学生の入国を認めることを国務省が4月に発表した他、アイルランド及び英国出身の学生についても、国益に基づく例外として入国が認められている。

 
NAFSA 留学生・国際交流研究者規則実務委員会 委員長でメリーランド大学ボルティモア郡校留学生・国際交流研究者サービスディレクターのアダム・ジュリアン氏は、パンデミックに影響して特に不確実性が高いのが、中国に次いで2番目に留学生が多いインドにおけるコロナ感染拡大で、インド人留学生が多数在籍する大学は大きな影響を受ける可能性があるとした。

 
6月4日


Inside Higher ED: Vexing Visa Challenges


地域 北米
アメリカ
取組レベル 政府レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
国際交流 国際化、学生交流