【ニュース・アメリカ】パンデミックにより大学での教員の影響力が縮小されたと感じる大学教員リーダーは全体の約4分の1

 
米国大学教授協会(AAUP)は6月2日、4年制大学における教員リーダーを対象とした調査結果を分析し、新型コロナウイルス感染症パンデミックを機とした大学ガバナンスの変化をまとめた報告書「共有ガバナンスに対するパンデミックの影響に関する調査データ」を発表した。米国大学では、理事会・大学執行部・教員がそれぞれの役割・権限などを明確に規定した共有ガバナンスが採用されているが、本報告書では、この共有ガバナンスに対してパンデミックがもたらした影響をまとめている。

 
調査では、大学585校の教授会議長もしくは同等の教員ガバナンスリーダーから、①新型コロナウイルス感染症パンデミック前後における教員の影響力の変化、②パンデミックに伴う予算修正における教員の関与、③解雇・プログラム廃止・強制的不可抗力、④ガバナンスの健全性とパンデミック、などに関する情報収集が行われた。主な結果は以下の通り。

  • 回答者の23.6%は、パンデミックにより教員の影響力が縮小されたと回答したのに対し、61.7%は変化なし、14.7%は影響力が拡大と回答。
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  • 予算修正への教員の関与に関しては、28.1%が有意義な関与、3%が大学執行部と同等の関与と回答したのに対し、68.8%は執行部が一方的に決定と回答。
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  • 所属大学でテニュア及びテニュアトラック教員が解雇されたと回答した教員リーダーは全体の9.5%であったのに対し、非常勤教員が解雇されたと回答したのは全体の27.5%。また、プログラムが廃止された大学の40.5%において、テニュア及びテニュアトラックの教員を解雇。
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  • パンデミックにより大学執行部または理事会が教員ハンドブックなどの大学規定の無効を宣言した大学の43.4%がプログラムを廃止。一方、大学規定を無効化しなかった大学では、この割合は14.6%のみ。
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  • 全体の24.2%は、教員は、大学執行部による報復措置を恐れるため、執行部・理事会に対する反対意見を出しにくいと回答。また、この割合は、大学規定の無効を宣言した大学では43.8%。

 
なお、本報告書は、こちら から閲覧可能。

 
6月2日


American Association of University Professors: Governance Survey Data Measure the Impact of the Pandemic


地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
人材育成 研究者の雇用