【ニュース・アメリカ】人文・社会科学博士号保有者、非営利団体勤務者の職務に対する満足度は大学教員の満足度を上回る

 

コーネル大学(Cornell University、ニューヨーク州)のコーネル高等教育研究所(Cornell Higher Education Research Institute)は、人文・社会科学博士号保有者約5,000人を対象として実施した調査結果をまとめた報告書「テニュアトラック職を求めて~人文・社会科学博士号保有者のキャリア向上と満足度について~(In Pursuit of a Tenure-Track Faculty Position:Career Progression and Satisfaction of Humanities and Social Sciences Doctorates)」を発表した。
 
本報告書によると、非営利団体で勤務する博士号保有者は、大学のテニュアトラック教員と比較して、職務内容に対する満足度が高いことが明らかにされた。このことは、アカデミアでの勤務を当初は希望していたにもかかわらず、それがかなえられなかった者にも当てはまるという。
 
また、キャリア初期が、必ずしもその後のアカデミアにおける成功・不成功を左右する訳ではないことが明らかにされた。本研究を主導したパデュー大学(Purdue University、インディアナ州)工学教育助教のジョイス・メイン(Joyce B. Main)氏らは、同研究結果から、博士課程学生、大学管理者、教員、及び、その他のステークホルダーは、博士号保有者のキャリアに関し、テニュアトラック大学教員以外の選択肢も柔軟性を持って考え、博士号保有者が学んだことを活かせる手段や役割を導入することを提案している。
 
主な結果は以下の通り。

  • 職務内容への満足度は、非営利団体で勤務する博士号保有者の93%が「非常に満足もしくは「満足」と回答しているのに対し、テニュアもしくはテニュアトラック大学教員を務める博士号保有者ではこの割合は88%。
  • 報酬に関しては、非営利団体勤務者の80%が満足しているのに対し、テニュア・テニュアトラック教員では61%。
  • アカデミア以外の勤務者で、企業もしくは営利団体勤務者による満足度は、非営利団体勤務者ほど高くないものの、テニュアトラック教員の満足度を上回る。

 
なお、本報告書は、「In Pursuit of a Tenure-Track Faculty Position:Career Progression and Satisfaction of Humanities and Social Sciences Doctorates」(PDF:314.89KB)からダウンロード可能。
 
2017年12月18日
 
Inside Higher ED:Where the Grass Is Greener
 

地域 北米
アメリカ
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