ジョージタウン大学(Georgetown University、ワシントンDC)教育・労働力センター(Center on Education and the Workforce:Georgetown Center)は2017年10月11日、ラテン系米国人の教育・経済状況を検証した報告書「ラテン系米国人の教育と経済発展 ~速度は増加しているものの未だ後れを取る~(Latino Education and Economic Progress:Running Faster but Still Behind)」を発表した。
これによると、ラテン系米国人にとって大学学位取得は未だに困難で、黒人の32%、白人の45%が学士号を保有しているのに対し、ラテン系米国人では21%に留まることが明らかにされた。また、大学学位取得で後れを取っていることから、労働市場においても中流層に留まることが判明した。主な結果は以下の通り。
- 1992年以降、ラテン系米国人による大学学位保有率は、35%から45%への10ポイント増加に留まるのに対し、白人では16ポイント、黒人では22ポイント増加。
- ラテン系学生の65%は、学生数過多で十分な資金のないコミュニティカレッジに進学し、卒業率も低い。卒業率の高い全米の競争率の高い大学500校に進学する学生は、全体の15%のみ。
- 労働力全体の16%はラテン系米国人であるが、ラテン系米国人の雇用の20%は高卒以上の学歴を必要としない職種。少なくとも高等教育を受けた経験を必要とする職業に就くラテン系米国人は10%のみで、学士号を必要とする職業に就く者は9%、修士号以上を必要とする職業に就く者は7%のみ。
- 全てのレベルの高等教育において、ラテン系女子学生の卒業率は男子学生を上回る。
- 大学進学標準試験のSAT/ACTで高得点を獲得したラテン系学生の63%は、学位・資格を大学で取得したのに対し、白人では78%。
- 米国外出身のラテン系米国人の34%が高等教育を受けたことがあるのに対し、米国内出身のラテン系米国人では61%。
- 話す言語が英語のみのラテン系米国人の年収は平均4万1,000ドルで、白人の平均年収(5万ドル)を下回るものの、黒人の平均年収(3万8,000ドル)を上回る。
なお、本報告書は、「Latino Education and Economic Progress:Running Faster but Still Behind」[PDF:1.59MB]からダウンロード可能。
2017年10月11日
Georgetown University:Latinos Are Running Faster but Falling Farther Behind Whites and Blacks in Educational Attainment, Says New Georgetown University Study[PDF:123.15KB]