米国教育統計センター(National Center for Education Statistics:NCES)は5月26日、米国における教育状況を政府がまとめた年次報告書『2016年教育の現状(The Condition of Education 2016)』を発表した。
これによると、白人・黒人・アジア系・ヒスパニック系米国人学生は、いずれも大学卒業率が上昇しているものの、人種間及び男女間での格差は拡大していることが明らかにされた。また、大学学位取得者数の割合は女性の方が多いものの、大卒者の給与は男性を下回ることも明らかになった。さらには、人種別では、白人及びアジア系米国人の学士号取得率は、黒人及びヒスパニック系米国人を上回ることが判明した。主な報告内容は以下の通り。
・家族で最初の大学進学者が入学後6年以内に学士号を取得する割合は、2014年には60%で2000年の57.5%から僅かに上昇。
・25~29歳の米国人の中での学士号保有者の割合は、白人では1995年~2015年の間に29%から43%に14ポイント上昇。これに対して、黒人では15%から21%に6ポイント、ヒスパニック系では9%から16%に7ポイント上昇。上昇率が最も高いのはアジア系で、同期間に43%から63%に20ポイント上昇。
・2015年に学士号を保有する25~29歳の米国人女性は39%であるのに対し、男性は32%。
・準学士号を保有する25~29歳の米国人の数は、2003年から2015年の間に51%増加。また、学士号保有者数は同期間に34%増加。
・学士号以上の学位を保有する25~34歳の米国人男性全体の90%が2014年に雇用されていたのに対し、女性は83%。また、主要経済セクタ10セクタ全てにおいて、男性が女性の給与を上回り、白人労働者が黒人・ヒスパニック系労働者を上回る。学士号保有者に関しては、アジア系労働者が白人労働者の給与を全般的に上回る。
なお、本報告書は、以下よりダウンロード可能。
National Center for Education Statistics:The Condition of Education[PDF:24.75MB]
THE HECHINGER REPORT:College graduation rates rise, but racial gaps persist and men still out-earn women