2020年9月5日、英国大学協会(UUK)は、英国の大学への進学が期待されるEUの学生に対して、ビザに関する大きな変化はあるものの、
英国で学習するあらゆる機会が与えられることをただちに保証するべきであると発表した。
2021年1月からのポイント制移民システム導入によりヨーロッパ諸国からの留学生の大幅な減少が予想される。また時を同じくして大学は
コロナ禍によりもたらされた継続的課題にも直面している。
コロナ禍の影響を受ける前に想定されたものであるが、英国政府はポイント制移民システムへの移行によりEUからの留学生数がおおよそ20%
減少すると予測している。その他の想定においてもより一層多くの海外からの優秀な人材が潜在的に減少する可能性が示唆されている。
UUKは、留学生が大学卒業後英国で2年間の就業することを可能にするビザの導入など、最近の英国政府の取組により希望が与えられているが、
早急に行動を起こさなければ次世代の海外の優秀な人材を獲得する機会を失い、世界の競争相手に負けるかもしれないと考えている。
10月5日から開始された英国学生ビザに代わる新しい手段は留学生の入国手続合理化の手助けになる。同日よりEU国籍保持者は入国許可の申請が
可能となり2021年1月から英国に入国が可能となる。UUKとUUK国際部(UUKi)は内務省、教育省(DfE)、ブリティシュ・カウンシル及び大学と
密接に協力し、留学生にこの変更が伝わるように取り組んでいるが、政府が需要を保護するためにできることは他にもあるとしている。
UUKは、EU/EEAからの留学生の需要の安定化を図るための手助けとなる、政策立案者が取り組むことができる5つの手段の概要を発表した。
1. 導入されている変更をすべての留学生が認識するための取組を促進し続けること
2. ブリティッシュカウンシルによって主導されているStudy UK campaignについて、現在展開しているヨーロッパ市場の取組の調整を図ること
及びStudy UKの年間投資額を2,000万ポンドに増額することにより、ヨーロッパにおける主要な市場において改善・拡大を図ること
3. 拡充または新たに開発されたEUの奨学金の提供などを通してEUの留学生向けの財政支援を提供すること
4. 英国の国際的な競争相手に準ずる水準にまでビザ申請費用を押さえること
5. コロナ禍の状況を考慮して入国要件を絶えず見直すことを確約すること
毎年45万人以上の留学生が英国の大学で学習しており、その3分の1はEU諸国からである。彼らの存在はすべての学生にとって大学での経験を
豊かにし、数十億ポンドの経済効果に貢献をしている。
UUK: Universities UK
British Council: Study UK