【ニュース・中国】清華大学とインペリアル・カレッジ・ロンドンが新型コロナウイルス対策共同シンポジウムを開催(2)

 
「提携協力が新型コロナウイルスに打ち勝つ唯一の選択だ」
 
 清華大学党委員会書記で校務委員会主任の陳旭氏は、新型コロナウイルスが引き起こした全世界的な試練に直面している中、感染対策における
大学の役割を強調した。陳書記は、全世界の大学が教育の適応力向上と世界の保健衛生問題の解決への対応に共同で力を入れるべきだと呼びかけた。
陳書記は、清華大学の教師と学生が感染対策のため科学技術による解決を図り、一連の重大な科学技術成果を得るため、4月2日、清華大学万科
公衆衛生保健学部を設立したと述べた。

 
 インペリアル・カレッジ・ロンドンのアリス・ガスト学長は、「新型コロナウイルスによる感染流行は大学の管理と科学研究のやり方を変えたが、
国際パートナーと協力する決意を変えることはできない」と述べた。感染の大流行以来、インペリアル・カレッジ・ロンドンは粘り強く感染対策を
実施し、着実に努力してきた。中国とイギリスの科学者は専門知識の共有に力を入れ、感染対策研究を深め、疫学やワクチン研究開発、臨床治療などの
分野で重要な貢献をしている。

 
 ガスト学長は、直面する感染流行は一つの国家あるいは一つの大学で解決できるものではないと示した。両校はこれまで以上に科学研究レベルの
パートナーシップを推進する必要があり、データ共有や教育交流などの面で協力を強化してこの世界的危機の中で成果を上げている。

 
 世界保健機関(WHO)の前事務局長で清華大学万科公衆衛生健康学部のマーガレット・チャン学部長は基調講演で、「手を携えての協力が
感染流行に打ち勝つ唯一の選択である」と題する発表をした。チャン院長は「人類の新型コロナウイルス発症メカニズムに対する研究はまだ十分で
はない。治療薬とワクチンの研究開発はまだ進行中で、科学技術によって感染流行を克服するにはまだ時間がかかる」と指摘した。

 
 WHOの新型コロナウイルス感染症担当特使でイギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドンのグローバルヘルスイノベーション研究所
共同主任のデビッド・ナワロ氏は、感染流行は世界中にとって貴重な試練であり、科学研究や社会管理、公衆衛生などの面で絶え間ない
改善と進歩を促していると述べた。

 
 ナワロ主任は、感染対策には人間本位を原則とし、学科を超えた研究でグローバルヘルスについて体系的に考えるだけでなく、社会の
公平性にも注目し、国際協力と対話を強化すべきだと強調した。また、今回の感染流行により感染対策における大学の重要性が明確になり、
清華大学とインペリアル・カレッジ・ロンドンの協力は世界のグローバルヘルスの管理を新たな段階に押し上げたと指摘した。
 

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地域 西欧、アジア・オセアニア
イギリス、中国
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
その他 その他