【ニュース・中国】わが国の本科高等教育機関におけるオンライン教育の質と評価、並びに提案 (3)

 
1.多様なプラットフォームによるオンライン教育の品質保証
 
 各高等教育機関は学校の実情を考慮し、各種オンライン教育プラットフォームやインターネット上の教材を十分に活用した上
で各種教育ツールも補助的に利用し、自校に適したオンライン教育の方法を選んで質の高いオンライン教育を効果的に保証している。
 
教育プラットフォームの多様化。
資源の使用状況に関して有効回答を提供した高等教育機関71校を見てみると、大部分の高等教育機関が全校で1~2か所のオンライン
教育プラットフォームを選択すると同時に、補助的なオンライン教育ツールも使用するという多元化オンライン教育モデルを採用している。
各校で使用されているオンライン教育プラットフォームと主な教育ツールには、騰訊会議(中国版の英語名は「Tencent Meeting」
グローバル版の英語名は「VooV Meeting」)・中国大学MOOC・超星・智慧樹・学堂オンライン・雨課堂・学校プラットフォーム・
雲班課・釘釘(DingTalk)・ZOOM・WeChat(微信)などがある。調査の結果によると(複数回答含む)、64校で騰訊会議、60校で超星、
57校で釘釘が使用されていた(図1を参照)。使用状況を見ると、超星・雨課堂・中国大学MOOC・騰訊会議・学校プラットフォーム・
雲班課の平均使用率はそれぞれ32.98%、25.00%、21.34%、21.18%、34.80%、60.53%となっている。また、各校から提出された
分析報告書を見ると、多くの高等教育機関で、実際の条件および需要に基づき、学校が前期に構築した科目ごとのプラットフォームを
ベースに、引き続き学校全体としてのプラットフォーム構築に取り組んでいく意思を持っていた。


図1 各教育プラットフォームを使用している高等教育機関の数

教材の多元化。
教育部は22か所のオンライン授業プラットフォームを構築し、全国の高等教育機関に2万4,000科目あまりのオンラインカリキュラムを
無料開放している。各高等教育機関においてオンライン教育で使用されている教材は主として、パワーポイント資料・動画・デジタル教材
・オーディオ教材・閲読資料・シミュレーションソフトなどがあり、このうちパワーポイント資料が多くを占めている。調査の結果、
高等教育機関では、自校のオリジナル教材をメインに、その他の教材をサブにという使い方が多く、使用教材は自校のものが54.09%、
インターネット上のものが30.73%、国のカリキュラムが24.60%を占めている(図2を参照)。



図2 高等教育機関の教材使用状況

教育形式の複合化。
調査の結果、高等教育機関の教員は科目の性質および目標に応じて、柔軟に教育形式を選択していることが分かった。各高等教育機関の
教員が採用している教育形式は多種多様で、学習材料の提供(54.74%)、ライブ授業(53.24%)、オンラインディスカッション(49.75%)、
オンラインでの質問回答指導(48.45%)、映像授業(30.02%)、その他(17.06%)などがあった。各高等教育機関の教員は大部分が
「ライブ授業+オンラインコミュニケーション」「学習資料の提供+オンライン指導」「動画授業+反転授業」など様々な複合スタイルで
オンライン教育を行っていた。

 

地域 アジア・オセアニア
中国
取組レベル 政府レベルでの取組
行政機関、組織の運営 政策・経営・行動計画・評価
大学・研究機関の基本的役割 教育