【ニュース・フランス】2021年、研究者のキャリア改善のための1億2千万ユーロ

 
 高等教育・研究・イノベーション組合の宣誓式において、Frédérique Vidal大臣は研究者のキャリア改善のため、いくつかの政策を発表した。1億2千万ユーロが若手研究者に、優先的に給与や保障として割り充てられる。

 
 Frédérique Vidal大臣は「高等教育機関のような、研究を職業とすることの魅力に関する疑問に対応するため、研究のための複数年プログラムの法(Loi de programmation pluriannuelle pour la recherche:LPPR)のもとに進めていく、総合的な取り組みを実施する方針である。」と述べた。

 
 現状研究職は、長い学業の後の採用となる上に、給与は不安定で最低賃金の1.3‐1.4倍程度であるため、研究者としてのキャリアは若い世代にとって余り魅力的なものとなっていない。2021年以降に若手研究者の給与は見直され、全ての研究員と講師の給与は現在、最低賃金の1.3‐1.4倍であるのに対し、少なくとも最低賃金の2倍程度で採用されることとなる。

 
 2021年には2千6百万ユーロが若手研究者への予算として割り当てられる。即ち、来年採用される講師は、平均して総額2600‐2800ユーロが一か月の給与として得られることとなる。

 
 また、研究者あるいは教育研究者の保障制度によって、給与面での不利な条件はなくなる。2021年からの総合的な取り組みとして、9千2百万ユーロが保障制度に割り当てられる。これは、研究業界全体が適正なレベルで給与を得られるようにすることを目的としている。

 
 労働組合と設立委員会とが連携して、確固とした給与制度をつくり上げていく。これによって、この先何年かの若手研究者、教育研究者の採用が安定することが期待される。この政策は、既になされている解決策を画一化したり、無理に押し付けたり、また現在機能している制度を壊したりすることではない。

 
 教育研究者や研究者、エンジニアやテクニシャン、その制度を補助・支援する人にとって我々が共通して認識しなければならないことを確認し、再考することを目的としているとFrédérique Vidal大臣は強調する。また大臣は「これは若手研究者がキャリアの当初からフランス国内でも外国と同様の水準の給与を得られると認識されるだろう」と期待している。

 
1月23日
 


MESRI: 120 millions d’euros pour revaloriser les carrières de la recherche en 2021

地域 西欧
フランス
取組レベル 政府レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究
人材育成 研究者の雇用