【ニュース・ノルウェー・イギリス】BrexitによるHorizon 2020への影響

 
EUとの撤退協定に伴い、英国は、2019年3月29日にEUから撤退した後も、引き続き関連国としてEUの研究とイノベーションのための枠組み計画Horizon 2020に参加することができる。これは、2020年12月の同プログラム終了時まで適用される。協定の下では、英国からの参加者はEU加盟国又は関連国と同様に、すべてのプログラムで、研究助成金を受け取るだけでなく、同プログラムの新たな研究助成金を申請することができる。
 
英国議会が英国とEU間の撤退協定を否決したことで、いわゆるハードBrexit(合意なき離脱)の公算が高まっている。したがって、Horizon 2020に参加しているノルウェーの研究機関、企業、公的機関、及びその他の関係者は、同プログラムにおける英国の地位が第三国となるハードBrexitに備える必要が生じている。
 
同プログラムの規程により第三国の参加に制限が設けられているため、英国が第三国の地位になることで、以下3点を含む多大な影響が発生する。

  • 3つの異なるEU加盟国又は関連国から少なくとも3名の参加者が必要な合同プロジェクトがある。そのプロジェクトにおいて、3つのEU加盟国のうちの1つが英国からの参加である場合、ハードBrexitにより、その合同プロジェクトは問題を抱えることになる。
  • 欧州研究評議会(ERC)や欧州委員会の研究助成プログラムMarie Skłodowska-Curie Actionsなど個々の研究者を支援するプログラムに第三国はアクセスできない。
  • 英国当局からの資金援助は英国の研究機関のためのプロジェクトが対象となる。プロジェクトコーディネーターが他のパートナーに資金配分する段階的な補助金の使用を含むプロジェクトは英国の保証の対象外である。そのため、英国当局の保証対象外のプロジェクトにおいては、継続が困難になる可能性がある。

 
上記の状況を踏まえ、英国とのプロジェクトの内容変更や契約の再交渉に対処する準備が求められている。
 
2019年4月2日
 
The Research Council of Norway:What does Brexit mean for Norwegian Horizon 2020 participants?
 

地域 西欧、北欧・バルト三国
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