【ニュース・ドイツ】連邦政府が5億ユーロ追加で人工知能の支援を強化―――焦点は、研究と社会実装、社会との対話

 
連邦政府は、2019年人工知能(AI)支援策に5億ユーロを追加投資することを議決した。焦点となるのは、研究、社会実装、社会的対話、テクノロジーアセスメント、適格性、そしてデータの有用性である。連邦政府はこの追加投資により、AI戦略実施の強化、研究の社会実装と社会的対話に重点を置く。
 
Anja Karliczek連邦教育研究大臣は「私たちは『メイド・イン・ドイツのAI』で引き続き世界のトップレベルでありたい。AI研究拠点の拡充により、ドイツの卓越したAI研究を国際的にさらに競争力を高め、そしてそれを産業や経済と結びつける計画だ。国内外の優れた頭脳を投入するために、フンボルト財団(Alexander von Humboldt-Stiftung :AvH)と共に国際的に著名な研究者たちをドイツに呼び込む予定である。私たちは研究結果が迅速にドイツの人々の役に立つことを願っているので、自動運転や生命科学のような重要な応用研究領域に的を絞って投資する。」と語った。
 
Peter Altmaier連邦経済エネルギー大臣は「私たちはAIの分野で、より迅速に研究から応用へ移行しなければならない。重要なのは、特に中小企業が実際にAI技術を活用・応用しているということである。AI技術支援策への追加資金のほぼ半分が研究からの社会実装に使われることを嬉しく思う。連邦経済エネルギー省は、AI技術革新競争や中小企業4.0拠点の優れたAI技術者により、AI技術の現場での適用を推進している。これはドイツ経済の競争力を強化する。」と述べている。
 
Hubertus Heil連邦労働社会大臣はこう述べている。「AI技術の成功は、人々の信頼と、彼らが自分たちにとってのAI技術の利益を認識しているかどうかに左右される。我々がAI技術を人間中心に活用することを提唱しているのはそのためである。規則の枠組みに加えて、この目的のために広い社会的対話が必要である:ゆえに我々は、AI調査機関を設立して、AIがもたらす結果や、労働や社会に与える効果を調査する。そしてモデルプロジェクトである“将来資金”により、公益のためのAIの発展を推進する計画である。」
 
AI資金の約2億3,000万ユーロがAIの社会実装策に投資され、1億9,000万ユーロがAI研究と若手研究者支援に使用される。企業の資格付与策に対するのと同様に、約5,500万ユーロが社会的対話と参画に、テクノロジーアセスメントと規則の枠組みといったテーマ領域の対策に利用される。
 
既に追加資金の一部でデータ有用性を向上させるための投資が行われた。モビリティ、健康、環境と気候、行政、航空と農業といった分野において、分野横断的かつセクター別の政策が推し進められるだろう。その根拠は2019年連邦政府予算からの追加予算活用のための共同構想である。連邦政府の予算編成決議案によれば、AI技術の推進のためにさらに5億ユーロが2020年予算から拠出可能であるとのことだ。
 
2019年5月23日
 
BMBF:Bundesregierung stärkt die Förderung Künstlicher Intelligenz mit zusätzlich 500 Millionen Euro:

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