【ニュース・ドイツ】資格取得の機会を保護し、社会参加を尊重する – HRKは、科学と学生を支援するための法律案を歓迎する

 
 ドイツ学長会議(Hochschulktreorenkonferenz:HRK)の見解では、連邦政府が本日審議中の COVID-19 パンデミックを考慮した科学と学生を支援する法律案は、現在の若い研究者と学生の不安定な状況に適しているとのことである。これは、資格取得の段階にある研究者に対して、必要とする猶予期間を提供し、また、コロナウイルスとの闘いに関わることとなった学生については、それにより得た追加収入は、当然、連邦奨学金法(Bundesausbildungsförderungsgesetz:BAföG)の奨学金額から控除されることはないという草案である。

 
 「もし連邦議会がこの法律を可決すれば、強力で励みになるシグナルを送ることになるだろう」と、本日ベルリン(Berlin)で講演したHRK会長のPeter-André Alt教授は述べた。「高度な資格を持った研究者は、大学や科学システム全体のパフォーマンスの基盤を形成している。また、大学の視点から見ると、社会貢献に従事する能力は、すべての大学の学位プログラムにおいて非常に重要な目標である。連邦政府がここでこれを尊重することは非常に重要である。」

 
 「今、早急に必要とされている時間制限の枠組の延長は、法律草案では合理的な範囲で制限されているものの、大学は、これにより資格取得段階における危機によって研究者が失った時間の少なくとも一部を補填することができる。」とAlt氏は続ける。「これは、コロナウイルスの影響を受けた人々への緊急支援策としてだけでなく、科学全体への長期的な影響という観点からも非常に重要なことである。法案が学生の社会参加の重要性を強調しているという事実は、明確に認められなければならない。大学の研究を経済的な側面だけに限定することは、的外れである。この法案は、そういったことについてもシグナルを送っている。」

 
 具体的には、法案では2020年3月1日から遡って発効する以下の経過措置を盛り込んでいる。

 
 ひとつには、パンデミックに関連した高等教育・学術運営上の制限のため、学問有期労働契約法(Wissenschaftszeitvertragsgesetz:WissZeitVG)に基づく資格取得段階の学術・芸術スタッフの有期雇用契約については、上限期間が6ヶ月間延長される。さらに、ドイツ連邦共和国におけるCOVID-19パンデミックの影響が継続しているため、大学はドイツ連邦教育研究省(Bundesministerium für Bildung und Forschung:BMBF)の条例に基づき、必要であれば、資格取得を目的に雇用契約をさらに6ヶ月延長することができる。

 
 もうひとつには、COVID-19パンデミックとの闘いに従事する学生に対する現行の優遇措置は、この法案によってさらに強化されることになる。体系的に関連するすべての部門や業務におけるパンデミック関連活動からの収入は、BAföGにおいて定義する収入とはみなされず、承認された期間内においては一切の控除が免除されることとなる。

 
2020年4月8日
 


HRK: 
Qualifikationsmöglichkeiten sichern, Engagement honorieren – HRK begrüßt Gesetzesentwurf zur Unterstützung von Wissenschaft und Studierenden

地域 中東欧・ロシア
ドイツ
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