【ニュース・ドイツ】新データポータル「HSIモニター」

 
 2011年から、フンボルト財団(Alexander von Humboldt-Stiftung :AvH)、ドイツ学長会議(Hochschulrektorenkonferenz :HRK)、ドイツ学術交流会(Deutscher Akademischer Austauschdienst:DAAD)は、ドイツの大学における国際性に関するプロフィールデータを公開してきた。2018年には、拡大プロジェクトの新たなパートナーとしてドイツ研究財団(DFG)が加わった。まもなく、これらの情報は印刷出版物としてだけでなく、「HSIモニター」を通じてデジタルでも入手できるようになる。「HSIモニター」の新機能について、DAADの合同オフィス長であるAxel Karpenstein氏が3つの質問に答えている。

 
 これまで、ドイツの大学の国際性に関するプロフィールデータ・レポートは、年に1回発行されていた。新しいHSIモニターで何が変わるのか。

 
 年次プロフィールデータ報告書は非常に広範にわたっており、大学の経営陣や国際部門に郵送されていた。スペースに限りがあるため、すべてのデータを包括的に分析することができず、後日、加のデータ評価の依頼を受けることもしばしばあった。新しいHSIモニターでは、すべてのデータがいつでも利用可能で、とても直感的にアクセスできる。

 
 しかし、このポータルは、広範なデータの収集以上に、トピック別のアクセスを可能にしている。高等教育の国際性に関する様々な分野における現在の傾向が分析されている。ハイライトは、新たに大幅に簡略化された冊子版報告書に今後も毎年掲載される。新しい形式の簡易分析においては、我々は現在のトピックと開発に焦点を当てている。

 
 また、大学に対して我々の独自データを公開している「大学ドシェ(ドシェは書類の意味)」は、他機関とのベンチマークも可能にしている。これまでは年1回のペースで送付されていたが、将来的には、大学は関連するデータに常時アクセスできるようになる。そのために、2021年から大学ごとの個別ログインエリアが設けられる予定である。この領域にはお気に入りデータを保存することもできる。これにより、使用頻度の高いデータに簡単かつ迅速にアクセスできるようになる。

 
 また、重要な分野や評価オプションを含めるため、指標システムを拡大したことにも言及しなければならない。例えば、DFGの国際プロジェクトや国際的な出版物に関するデータが新たに追加された。また、分野別、ジェンダー別、国別の評価オプションも用意されている。

 
デジタル化のメリットとは何か。
主な利点は3つある。

  1. データ評価を個別に対応できること、
  2. データがより最新であること、
  3. いつでもどこからでもアクセスが可能であること

 HSIモニターを介したデータのデジタル提供は、ターゲットを絞った方法でデータを取得する可能性を開くものである。各ユーザーグループは、例えば国際化方策のモニタリング、レポートや戦略的計画などに必要な図やデータを集約することができる。評価はカスタマイズすることができ、例えば、報告年度や比較グループを選択したり、見たい大学のグループを自分で定義したりすることができる。

 
 データベースは年に2回更新され、データはポータルを介して遅滞なく利用できるようになっている。ユーザーはいつでもどこからでもポータルにアクセスすることができ、モバイルデバイスへの動的な適応にも注意が払われています。

 
HSI モニターの恩恵を受けることができるユーザーグループはどの層か。

 
 データポータルの公開エリアは、大学の国際性に関する最新の動向や具体的な数値と関連のある、大学や政治、企業の関係者すべてを対象としている。しかし、これらに関心を持つ一般の方もアクセスすることができる。我々の目的は、人々にこの数値を仕事に活用したいと思ってもらえることである。クエリ設計には多くの可能性があるため、多種多様な質問に対応でき、新たな文脈を明らかにすることができる。これは、大学の経営陣や国際部門にとってだけではなく、戦略的計画やレポーティング、クオリティマネジメント、大学のマーケティングにも有益である。HSIモニターのデータは、例えば、提供する教育の改善や大学の持つ資源の活用計画に利用することができる。国際的なパートナーシップに関するデータは、国際的なネットワーキングにおける重要な傾向を示すものである。最後に、学生、研究者、大学、研究プロジェクトのための資金調達に関する包括的なデータ(欧州連合からの外部資金を含む)は、現在の資金調達の優先順位を示している。

 
2020年4月16日
 


DAAD: Neues Datenportal „HSI-Monitor“

地域 中東欧・ロシア
ドイツ
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国際交流 国際化
統計、データ 統計・データ