【ニュース・ドイツ】研究とイノベーションをより明瞭に

 
2019年9月から、さらに七つの研究プロジェクトが研究とイノベーションの指標改善に取り組む

  • 地球規模の変化とデジタル化の時代において、どのように知識フローをよりよく理解できるか?
  • 何が今日明日の革新的企業を際立たせるか?
  • 個人世帯の革新的な行動を把握理解することができるか?
  • 大学、経済、学術、政治そして市民社会の間で研究に基づく知識交換のどの特徴が、持続的イノベーションの創出に関与しているか?

これらの問いは、七つの共同プロジェクト、または個別プロジェクトで研究者たちにより今後3年間追究される。プロジェクトは、連邦教育研究省(Bundesministerium für Bildung und Forschung :BMBF)の要綱「研究とイノベーションのための指標の更なる発展(Weiterentwicklung der Indikatorik für Forschung und Innovation)」の第2期資金措置の一環として支援される。
 
「研究とイノベーションの動向は絶え間なく発展を続けている。新しい研究分野と現象は、指標システム(インディケーターシステム)もさらに発展し続けなければならないことを意味する。支援を受けるプロジェクトは、これらの発展の継続に大きく貢献するだろう。その結果、研究拠点としてのドイツの能力はより良く把握され、可視化されるだろう。」とBMBF政務次官でもあるMichael Meister連邦議会議員は述べた。BMBFは、プロジェクトに1年当たり100万ユーロの資金を支給する。
 
2019年9月から10月にかけてスタートするプロジェクト

  • ミュンヘン工科大学とマンハイムのライプニッツ欧州経済研究センターは、革新的な企業同士および学術機関との相互作用を評定する。その際、インタラクティブネットワークを生み出すために、例えばWebサイトリンクやソーシャルメディア、プラットフォームのようなオンライン情報が利用される。研究者らは引き続き、ネットワークが起業家の成功を説明するために成し遂げる貢献を分析する。
  • ハノーファーにある国立科学技術図書館は、テキストマイニング技術を通じてドイツの研究報告書を再分析する合同プロジェクトを調整している。それらの文書は、後援者、科学者、一般の人々にとってより簡単にアクセスできるようにする必要がある。(このプロジェクトの)目的は、評価に使用できる新しい指標のデータ基盤を構築することである。
  • カールスルーエにある、フラウンホーファー システム・イノベーション研究所は、イノベーションシステム内の知識フローの定量化(数量化)のための指標を開発する合同プロジェクトを調整する。その際、研究者は暗黙知と非公式の交換関係の把握に焦点を絞る。これらの知識フローを確認し測定可能にするために、新しいデータソースが開発される。
  • ケルン工科大学では、伝統的書誌統計学的指標の代替指数であるオルトメトリクスを研究する。目的は、研究の社会的影響を反映するための信頼できる指標を開発することである。
  • ベルリンのエコロジー経済研究所(IÖW)はベルリン工科大学と協力して、家庭における共同のオンラインに基づくイノベーションプロセスの把握手段を開発する。その際、研究者は持続可能性、エネルギー、交通・都市開発の三つの活動の分野において、分散的に組織されたユーザーコミュニティのイノベーション活動を分析する。
  • ゲッティンゲン大学とダルムシュタット専門大学は、地方の知識移転と持続可能性関連のイノベーションへの貢献との因果関係を研究する。研究者は、どの知識移転システムのどの構造的特徴が持続可能なイノベーションの要因であるかを分析する。
  • ギュータスローの高等教育開発センターは、看護学や労働・組織・経済心理学に焦点を絞った大学内の研究開発から社会イノベーションまでの方法を説明する。特に社会イノベーションを生み出すために大学が作り出さなければならない前提条件が分析される。プロジェクトの目的は、大学の社会イノベーションのプロセス、方法、効果を示す一連の指標を開発することである。

 
プロジェクトは、議長のもと独立した専門家選考委員会により選考された。
 
議長
 Hanna Hottenrott教授(ミュンヘン工科大学)
 
その他の選考委員
 Arne Bathke教授(ザルツブルク大学)
 Heike Belitz博士(ドイツ経済研究所)
 Kerstin Ettl教授(ジーゲン大学)
 Oliver Falck教授(イフォ経済研究所)
 Lutz M. Hagen教授(ドレスデン工科大学)
 Carolin Häussler教授(パッサウ大学)
 Katja Mayer博士(ウィーン社会イノベーションセンター)
 Jan-Hendrik Passoth博士(ミュンヘン工科大学)
 Sebastian Pfotenhauer教授(ミュンヘン工科大学)
 Marion Poetz教授(コペンハーゲン・ビジネス・スクール)
 Karoline Rogge教授(フラウンホーファーシステム・イノベーション研究所及び・サセックス大学)
 Klaus Schuch博士(ウィーン社会イノベーションセンター)、Matthias Weber博士(オーストリア技術研究所)
 
2019年9月2日
 
BMBF:Forschung und Innovation transparenter machen
 

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