【ニュース・ドイツ】ピルシャー次官:洪水災害地域を気候適応と持続可能性の未来地域に

 
連邦教育研究省次官が、ラインラント・プファルツ州とノルトライン・ヴェストファーレン州のためのKAHRプロジェクトのキックオフワークショップを開催

 
連邦教育研究省(BMBF)は、学際的な専門知識によって、ラインラント・プファルツ州とノルトライン・ヴェストファーレン州で洪水の被害を受けた地域の再建を支援している。「気候適応、洪水とレジリエンス(KAHR)」プロジェクトの目標は、当該地域で利害関係者と一緒に、気候適応性ある気候変動に対応できるように再建し、今後の洪水被害を防ぐことである。プロジェクトは本日(1月27日)キックオフワークショップとともに開始された。

 
ユディス・ピルヒャー連邦教育研究省次官は次のように説明する。

 
「私たちは被災地域を、気候適応と持続可能性のため未来地域に変えたいと思っている。やはり、環境保護とともに気候適応は、現代で最も喫緊の課題のうちの一つだからである。都市や地方自治体は、大雨や猛暑などの異常気象のために備えを強化しなければならない。KAHR の緊急対策により、私たちは連邦教育研究省として、気候変動に強い地域にするための新しい開発に貢献している。研究者らは被災した都市や地方自治体との緊密に対話を行い、再建にあたり具体的にどのようなニーズがあるか明らかにした。本日(1月27日)のワークショップは、これらの最初の知見をまとめ、共有するためのスタート地点である。」

 
ラインラント・プファルツ州の KAHR プロジェクトのスポークスマンである、シュトゥットガルト大学ヨーン・ビークマン教授は説明する。

 
「今後3年間で、私たちは2021年7月の洪水災害、関係する過程、影響の連鎖を徹底的に調査する予定である。私たちは、将来のリスクを減らし、適応能力を高める施策を行いたいと思う。私たちにとって、地元住民にこれらが受け入れられることは重要であり、そのためには徹底した話し合いが必要である。このように、KAHR は被災地域における気候変動への対応力に関するイノベーションの飛躍的な発展を支援するだろう。」

 
ノルトライン・ヴェストファーレン州 KAHR プロジェクトのスポークスマンであるアーヘン工科大学のホルガ―・シュトルンプフ教授は説明する。

 
「私たちは、現場と連邦国家における利害関係者と、良好なコミュニケーションを図るよう努力している。プロジェクトが始まってからの最初の数週間ですでに、地域のエネルギー供給者をパートナーとして獲得できている。また、私たちは気候に配慮した電力供給のための基準を策定する予定である。重要なインフラ保護のため、私たちは科学的根拠に基づく目標と原則を策定中のアールヴァイラー地域を支援した。KAHR が科学と実践の分野で大きな関心を集めていることは、私たちのプロジェクトの緊急性をあらためて強調している。」

 
背景:

 
KAHR プロジェクト(ラインラント・プファルツ州とノルトライン・ヴェストファーレン州における洪水災害の再建過程の科学的モニタリング-気候適応、洪水とレジリエンス)は、BMBFより今後3年間超で約520万ユーロの資金拠出を受ける。分野の異なる13のパートナーは、KAHR ネットワークで協力して活動している。

 
このネットワークは、都市や地域計画、水文学、水力工学・管理、建設技術、自然・環境リスク、イノベーション・システム研究といった分野からの専門知識を結び付けている。全体的な調整はシュトゥットガルト大学のヨーン・ビークマン教授が行っている。アーヘン工科大学のホルガ―・シュトルンプフ教授と共に、彼はこの取組のスポークスマンである。

 
KAHR は、気候適応と持続可能な開発の分野における他のBMBF資金拠出と連結されている。(例えば、「都市・地方・プラス(Stadt-Land-Plus)」、「行動を通しての都市と地域の気候変動への対応」、「RegIKlim」、「水の異常現象(WaX)」等である。)KAHRは、2021年7月の洪水災害を例に、特にリスク予想、危機コミュニケーション、災害管理の問題に取り組んでいる市民安全研究の「HoWas2021」プロジェクトとも関係している。
 

2022年1月27日
 


BMBF: Pirscher: Flutregionen zu Zukunftsregionen für Klimaanpassung und Nachhaltigkeit machen


地域 中東欧・ロシア
ドイツ
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