【ニュース・ドイツ】シュタルク=ヴァッツィンガー大臣:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者のための治療レパートリーは、さらに拡大

 

連邦教育研究省(BMBF)は、COVID-19 に対する追加の治療薬候補の開発に資金拠出 している。合計2,430万ユーロが、Proteo Biotech AG、rnatics GmbH とEvotec International GmbH のプロジェクトのため利用可能になる。

 
ベッティーナ・シュタルク=ヴァッツィンガー連邦教育大臣のコメントは以下のとおり。

 
「治療法は、パンデミックとの闘いにおいて重要な構成要素である。それゆえ、私はコロナウイルス創薬研究の更なるプロジェクトへの資金助成を発表できることを喜ばしく思う。緊急に必要とされるコロナ治療法の研究及び開発のための資金助成ガイドラインのもと、3つの期待できる治療薬候補が準備されており、治療薬としての承認に向け順調に進んでいる。これまでの研究結果は有望なものであり、臨床試験へのステップアップが可能となる。パンデミックの変遷は、コロナウイルスの治療法の発展を前進させることの重要性を示している。私たちは、すべての重症度の患者を治療するため効果的で安全な治療薬を必要としている。研究担当省として、私たちは、常に新しいウイルスの変異への有効性を考えながら、高い可能性をもつコロナウイルス治療法の発展を促進させ続ける。」

 
背景:

 
「緊急に必要とされる SARS-CoV-2 に対しての治療法の研究と開発」の資金助成ガイドラインの目的は、COVID-19 に対する有望な治療法のアプローチの臨床開発を強化することである。BMBF は2021年1月に資金助成の第1回目の公募を発表し、2021年6月14日に発行された新しいガイドラインにより、BMBF はさらに3つの追加的プロジェクトに2,430万ユーロを利用可能にした。

 
今回の資金助成は、SARS-CoV-2 に対する明確な治療薬候補の臨床試験に対応するものである。また、COVID-19の重症の治療のための新しい治療法アプローチの臨床開発も求められている。資金助成の対象は、早期承認のためベネフィット・リスク比が十分に信頼できる結論を得るためのフェーズ 1~2b の臨床試験である。

 
さらに、2021年5月には治療薬開発の後期フェーズに対応する「COVID-19 治療薬の臨床開発と生産能力の促進」のための資金拠出プログラムが、ドイツ連邦保健省(BMG)と共同で発表された。

 
選出されたプロジェクトの概要

 
◆COMCOVID 研究-COVID-19 の治療のための組み換え型タンパク質の有効性と安全性の立証(資金助成額:9,924,739ユーロ)

 
Proteo Biotech AG の研究プロジェクトの目的は、臨床試験で COVID-19 の治療のためのあるタンパク質の有効性と安全性を立証することである。目標は、過剰な免疫反応に起因する重篤な COVID-19 においての臓器の合併症と重篤な症状の進行を防ぐことである。そのタンパク質は様々な炎症誘発メカニズムを阻害し、人体で素晴らしい忍容性を示す。そのタンパク質は人体で見つかった抗炎症作用を有するヒト組み換えタンパク質である。

 
◆CoVmiR-COVID-19 による炎症性肺疾患に対する AntimiR の吸入投与(資金助成額:6,848,020ユーロ)

 
rnatics GmbH の CoVmiR プロジェクトでは、COVID-19 によって生じた炎症性肺疾患の吸入治療薬が臨床試験の段階である。その治療薬は、食細胞(マクロファージ)の中の小さいRNA(マイクロRNA)を抑制する。このマイクロ RNA は炎症の過程を促進し、COVID-19 罹患者の肺の中に非常に高い濃度で見つかっている。それは、病気が進行する間、肺の組織において病理学的変化をもたらす。目標は有望な治療薬候補のフェーズ1の臨床開発(初めての COVID-19 への適用を含む)を完了させることであり、それによって次に続くフェーズ2の試験の基礎を作ることである。

 
◆COVIFERON-新たな免疫調節分子での COVID-19 感染症の治療(資金助成額:7,526,610ユーロ)

 
Evotec International GmbH の研究プロジェクトは、COVID-19 患者における、新たな免疫調節分子の安全性と有効性の立証するために、フェーズ1 と 2a の臨床試験を行おうとしている。臨床前の in vitro 実験では、以前行われた研究での類似の分子に比べ、より強く免疫システムの抗ウイルス反応を誘導することが実証された。免疫調整分子の早期投与は、ウイルス量を減少させ、それゆえ重症化への進行リスクも低減させる可能性がある。

 
2021年12月23日


BMBF: Stark-Watzinger: Das Behandlungsrepertoire für COVID-19-Erkrankte wird weiter ausgebaut


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