【ニュース・タイ】マヒドン大学 タイの「ニューノーマル」学習を開始(1)

 
マヒドン大学の新入生たちは、いつもとかなり違う授業初日を迎えていた。

 
教師の講義中にメモを取るための最適な席取りを急ぐ必要はもはやなく、食事の必要も、新しい友人と対面で会話をする必要もなかった。

 
学生たちは、大学での授業初日を完全なるオンライン教室で始めたわけであるが、これは本学史上初、1年生全員を対象とした取り組みであった。
本学の学生は今や、新型コロナウィルスの世界的な大流行にもかかわらず、いつでもどこからでも自分の授業や教室にアクセスできるように
なったのである。

 
デジタル技術を活用して学習を促進

 
マヒドン大学カンチャナブリキャンパス副学長代行・情報技術担当の Thatchavee Leelawat 氏は、技術を活用し、デジタル技術開発への道筋に
向かって世界に追従していかなければ、教育は中断という大きなリスクにさらされている社会の最も重要なセグメントの一つ
であることを大学は
認識していたと説明した。

 
崩壊を避けるべく、多くのパートナーからの強力な協力の下、高速光ファイバーWi-Fiを介していつでもどこでも学習ができるよう、ニューノーマル
な教育に対応するためのデジタル技術への巨額の投資が、様々な形で行われていると Thatchavee 氏は述べる。

 
マヒドン大学は、パートナーの中でもサイアム商業銀行と密接に協力し、2018年から学内のデジタルエコシステムの構築を進めてきた。これには、
大学のキャンパス内でのデジタルインフラの整備やアクティブラーニングなどのプロジェクト用に設計されたデジタル技術などが含まれている。

 
すべてのオンライン学習の取り組みは新型コロナウィルスの大流行前に開発されたもので、そのうちの1つが今学期に1年生全員が利用するバーチャル
クラス学習プラットフォームの開発である。

 
ナコンパトム県、ナコンサワン県、アムナートチャルーン県にあるマヒドンの全キャンパスがWebexプログラムを介してバーチャル教室やカンファレンスにアクセスするためのWi-Fiネットワークで完全に接続され、学習者と講師がリアルタイムで交流、知識を交換することができるようになり、
ソーシャルディスタンスの状況下において効果的な対面授業の代わりとなることが期待されている。

 
学生と大学を結びつけるもう一つのデジタルツールは、スマートフォンを介し個人のパスワードで簡単にアクセスできる、ニュースや情報更新のための大学
のオンラインコミュニティ「WeMahidolアプリ」
である。

 
「新型コロナにより、私たちは、いつでもどこでも勉強するという目標を達成するよう奨励されている。大流行前にデジタルプラットフォームを
構築した大学のビジョンのおかげである。」

 
「学習は教室の中だけではない、それが今後、教育の重要なニューノーマルとなるだろう。それはいつでもどこでも起こり得るものである。」と
彼は言い、次の課題は、すべての職員がスマートなデジタル技術に精通し、効率的に活用できるように、どう養成していくかであると付け加えた。

 
困っている学生にインターネットのパッケージをプレゼント

 
予期せぬ感染症に万全の対応ができたにもかかわらず、Thatchavee 氏は、低所得の家庭出身の一部の学生が、財政的な問題から高速インターネット
パッケージを購入できず、オンライン教室へのアクセスができないという困難に直面していることを認めた。

 
しかし、マヒドン大学は、すべての学生が平等に教育を受けられるよう支援する必要性を認識し、そのために、支援が必要な7,000人の登録学生に
インターネットパッケージを提供、他の学生と同じようにオンライン授業を受けられるようにしてきた。
 
同大学によれば、4月から6月までの間に、Webexプログラムを利用して、65,000以上のバーチャル教室/会議を作ったという。
 
大学は、新型コロナの世界的な健康危機の中で試されてきた国の教育のニューノーマルにとってのケーススタディとなる。国全体の教育システムは
今、教育をめぐる古い考えの学校を破壊する類まれなものへ変貌
を遂げようとしている。
 

地域 アジア・オセアニア
タイ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
行政機関、組織の運営 政策・経営・行動計画・評価
大学・研究機関の基本的役割 教育
学生の経済的支援 学費