【ニュース・イギリス】逆さまなランキング:大学進学の拡大状況の測定結果

 
2018年4月5日、高等教育政策研究所(HEPI:Higher Education Policy Institute)は、Anglia Ruskin Universityの学長であるIain Martin教授の著した、“大学進学の拡大状況の測定-その進展をどのように計測・報告するか”という政策ペーパーを発表した。これは、各大学が高等教育への進学を拡大させることに成功しているか、そして全ての環境出身の学生に進学の機会を確保しているか見ているものである。
 
このペーパーでは、高等教育進学の平等性の新たな測定方法を提案しており、英国で最も平等な大学と、最も不平等な大学とを図表で示している。
 
HEPI:Upending the rankings: Benchmarking widening participation in universities(図表あり)

 
【メディアの反応】
 
○The Guardian
 
個々の大学が、あらゆる出身背景の学生に対し進学の機会を広げるという試みにどれくらい成功しているかを見るための新しい指標で、University of Hullが最もよく動いている機関とされ、University of Cambridgeが最下位とされた。
 
この、HEPIの研究論文において作成された平等な進学についての試行的なランキングでは、University of Derby、Edge Hill、Chester and Plymouth School of Artが上位陣に入っている。この指標の底辺近くには、University of St Andrew’s、University of Bristol、University of Oxford、University of Aberdeenなど、この国で最も古く最も名声のある大学の一部が位置しており、これらの校もUniversity of Cambridgeよりほんのわずかにうまくやっているだけに過ぎない。
 
若者の間での大学進学率全体が1980年代の10%-15%から、現在45%にまで上昇してきている一方で、恵まれない環境から最も優秀な校へと進学する学生はより少なく、入試採用はいまだに大きな矛盾を抱えているとHEPIの論文は指摘している。
 
通常、他の大学一覧では上位にあるようなラッセルグループ(Russell Group)※の大学は、この指標では首尾が悪く、それよりも多様な採用者を抱えるより新しい大学の方がよい結果を示している。
 
The guardian:Cambridge ranked last in university fair access table[2018年4月5日付け]

 
※ラッセルグループは、英国国内で最高水準の研究レベルを持つ24大学で構成される団体。

地域 西欧
イギリス
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
人材育成 学生の多様性
統計、データ 統計・データ
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